artscapeレビュー
第16回文化庁メディア芸術祭
2013年03月15日号
会期:2013/02/13~2013/02/24
国立新美術館[東京都]
「アート」「エンターテインメント」「マンガ」「アニメーション」という首をひねりたくなるようなジャンル別(エンターテインメントってジャンルか?)の展示。時間がないのでもっぱら「アート」部門を見る。大賞はコッド・アクトというユニットによるパフォーマンスの記録映像。数人の男が足をジャッキに固定され、ジャッキの動きとともに体を傾けながらオペラを歌ってる。みんな真剣に見ているのがおかしく、思わず笑ってしまった。これはギャグだろ。ヤン・ウォンビンは、クシャクシャにした紙くずのなかに装置を仕込み、ロボットのように動かす映像作品で新人賞を獲得。その下の床では実際にスタバの紙コップがくるくる動いていた。これはいい。震災関連の作品もいくつか目についたが、佐野友紀による4.5×7.2メートルの巨大なガレキの絵が圧巻。と思ったら写真の上から絵具でなぞったもので、ガイドブックを見ると「グラフィックアート」になっている。このガイドブックによれば「アート」部門はパフォーマンス記録映像、ロボット、映像インスタレーション、インタラクティブ・インスタレーション、デジタルフォト、ウェブなどに占められ、絵画や彫刻はなし。グラフィックアートも佐野の1点しかない。いまさらですが「メディア芸術」ってなんなの?
2013/02/15(金)(村田真)