artscapeレビュー
原游+清水信幸+野内俊輔「Raw Structurez」
2015年07月15日号
会期:2015/05/02~2015/06/13
HARMASギャラリー[東京都]
絵画の根源に迫るような3人の作品展。絵具を物質として立体的に扱う清水も、古材を支持体として絵具を塗る野内も興味深いが、キャンバス布を描かれた画像の延長として用いる原游が群を抜く。例えばキャンバスに顔を描いて、その上辺の布を前面に折り返して髪のようにしたり、下辺から垂らした布をほどいて三つ編みにしたり。絵画を構成する物質的要素が反転して、描かれたイメージにつながってくるのだ。かつてフランスの「シュポール/シュルファス」はその名のとおり、絵画を「支持体」と「表面」に解体したが、原はそれを再び、しかもポップにつなげてしまったというべきだろう。いいね!
2015/06/06(土)(村田真)