artscapeレビュー

オットー・ワグナー《ホーフ・パヴィリオン》《シュタインホフ教会》

2015年07月15日号

[オーストリア、ウィーン]

竣工:1899年/1907年

続いて、ワグナーによるヒーツィング駅の《ホーフ・パヴィリオン》へ。こちらも内部に資料展示が入り、偉大なる近代建築家を都市の歴史に位置づけようとする強い意志が感じられた。今度は病院群の丘を登って、ワグナーのシュタインホフの教会へ。学生のとき以来の訪問である。内外ともに、重さを感じさせない、彼らしいパッチワーク的な被膜が全身を覆う。都市建築と違い、周囲との調和を意識する必要はないが、それでも植物に傾倒したアール・ヌーボーなどに比べて、ワグナーのデザインは古典主義的な要素が残る。

写真:左=《ホーフ・パヴィリオン・ヒーツィング駅》、右=《シュタインホフ教会》

2015/06/21(日)(五十嵐太郎)

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