artscapeレビュー
合田佐和子「喜びの樹の実のたわわにみのるあの街角で出会った私たち もう帰る途もつもりもなかった」
2015年07月15日号
会期:2015/05/26~2015/06/14
みうらじろうギャラリー[東京都]
1994年以降に撮られたバラの花の写真と、それをもとに描いた花の絵。これらの写真は絵を描くための素材として撮りためたもので、見せるつもりはなかったという。それにしても、どうして女性が花の絵を描く(または写真を撮る)と情念的というか、肉感的になるんだろう。ありていにいえば女性器に見えるわけだけど、そうでなくてもどこか温もりが感じられるのだ。アラーキーが撮ってもメイプルソープが撮ってもそうは感じられないのに。花に囲まれて1点だけ、グレタ・ガルボと卵の組み合わせがあった。合田人気に加え、最終日に近いせいか人が多い。ちょっと着飾った男が熱心に見ていて、ときおり画廊の人に野太いオネエ言葉で質問していた。帰りぎわチラッと見たら美川憲一だった。
2015/06/13(土)(村田真)