artscapeレビュー

月が水面にゆれるとき

2015年08月01日号

会期:2015/06/27~2015/08/22

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA[京都府]

木藤純子、曽谷朝絵、中村牧子、和田真由子が出品した本展。チラシの文面によると、本展のきっかけは「全国的に美大で女子学生の割合が増加しているのに、女性アーティストが顕著に増加していないのは何故だろう」、「美大を卒業した女性アーティストたちは何処へ向かおうとしているのか」(筆者要約)という素朴な疑問であるようだ。しかし、実際の展示はテーマ主義ではなく、各作家がそれぞれのスペースで自作を披露するオーソドックスな形式が取られていた。上記の問題意識への言及は、もっぱらトークイベントでフォローされていたようだ。4作家のうち3作家はすでに何度も作品を見たことがあるが、東京を拠点とする曽谷朝絵だけは詳しく知らなかった。彼女は絵画6点と《宙(そら)》と題した映像インスタレーションなどを出展したが、作品はどれも素晴らしく、彼女の作品を知ったことが私にとっての成果であった。

2015/06/27(土)(小吹隆文)

artscapeレビュー /relation/e_00031412.json l 10113153

2015年08月01日号の
artscapeレビュー