artscapeレビュー
ファッションとアート 麗しき東西交流
2017年05月15日号
会期:2017/04/15~2017/06/25
横浜美術館[神奈川県]
なぜ横浜美術館で「ファッション」なんだろうと頭に「?」を掲げつつ、会場を一巡して「ああそうか」と納得。ファッションとは洋装のことで、幕末に開港した横浜が西洋文化の窓口として「洋服」を採り入れていったからなのだ。といってもみんなすぐに洋服に着替えるわけでもなく、揺り戻しや和洋折衷があったりして、定着するには長い年月が必要だった。だからサブタイトルに「東西交流」の文字が入っているのだ。でもそれをいえば「食とアート」でも「住とアート」でもよかったはずだが、まあ展覧会として見栄えがするのはなんといってもファッションだからね。そんなわけで、展示は幕末の横浜浮世絵から明治初期の日本製洋服(早くも輸出用!)、洋装の肖像画、鏑木清方の美人画、アクセサリーや陶芸、調度品、そして東西交流のツボともいえるファッションに現われたジャポニスムまで、広範囲にわたっている。キモノの型や柄を採り入れたジャポニスムファッションなどは、いま流行してもおかしくないほどハマってる。ハマだからね。
2017/04/14(金)(村田真)