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artscapeレビュー

6人の星座 ニコンサロン50周年記念 ニコン・コレクション展

2018年02月15日号

会期:2018/01/05~2018/01/23

銀座ニコンサロン[東京都]

1968年に東京・銀座に開設されたニコンサロンは、数あるメーカー系のギャラリーのなかでも強い存在感を発し続けてきた。基本的には展示専門のスペースなのだが、1976年に伊奈信男賞(その年にニコンサロンで開催された最優秀の展覧会を顕彰)が新設されたのをひとつのきっかけとして、写真収集にも力を入れるようになった。今回のニコンサロン開設50周年を記念する「6人の星座」展では、そのニコンサロンのコレクションの中から選抜して、山村雅昭、深瀬昌久、平敷兼七、鈴木清、田原桂一、山崎博の6人の作品、33点が展示された。

数はそれほど多くないが、会場は張り詰めた空気感に満たされ、それぞれの写真が発する“気”のようなものがしっかりと伝わる素晴らしい展示になった。6人の写真家たちは、一般的にいえばそれほど著名ではないし、日本の写真表現のメインストリームをというわけでもない。だが、作風はそれぞれ違うものの、自らの生と写真家としての営みを見事に合致させ、深みのある作品世界を形成してきた作家たちである。つまり、自分の視点と方法論をきちんと確立した写真家たちということで、一人ひとりの視座が互いに結びついて、ひと回り大きな「星座」として成立しているところに今回の展覧会の見所がある。「日本写真」のエッセンスというべき展示を、今年の初めに見ることができたのはとてもよかった。

ニコンサロンのコレクションを活かした展示は、ほかのかたちでも十分に考えられそうだ。沖縄に根づいて活動を続けた平敷兼七の作品など、もっと別な枠でも見てみたい。なお、本展は2月1日~2月14日に大阪ニコンサロンに巡回する。

2018/01/05(金)(飯沢耕太郎)

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