artscapeレビュー
新incubation2「Stelarc×contact Gonzo─BODY OVERDRIVE」展
2010年12月01日号
会期:2010/10/30~2010/11/28
京都芸術センター[京都府]
身体にフックをつけて吊り下げられるパフォーマンスで知られ、近年は医学やロボット工学を取り込んだ作品を制作しているステラークと、ストリートファイトから導き出される過激なパフォーマンスで知られるcontact Gonzo。ベクトルは違えど、“肉体”という共通のキーワードを持ち、見る者に本能的な衝撃を与える両者を共演させるとは、何とも大胆な試みだ。しかし、彼らの真骨頂を体感できるのは、やはりライブ・パフォーマンスしかない。contact Gonzoは会期中に二度、ステラークはロンドンからのWEB中継を一度行なったとはいえ、ほとんどの期間は資料展的な見せ方にならざるをえないのが本展の限界だ。美術展の枠内でパフォーマンスを扱うことの難しさを、改めて実感した。ただし、北ギャラリーでcontact Gonzoが行なったサウンド・インスタレーションは別物。ライブの素材から新たな価値をつくり出すことに、見事に成功していた。
2010/11/16(火)(小吹隆文)
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