artscapeレビュー
カタログ&ブックス│2011年11月
2011年11月15日号
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
世界制作の方法 Ways of Worldmaking
2011年10月4日〜12月11日まで国立国際美術館で行なわれている展覧会のカタログ。同展タイトルは、アメリカの哲学者ネルソン・グッドマンの著作『世界制作の方法』に由来し、彼の記号論的方法に通ずる先鋭的な作品が集められている。出展作家は、エキソニモ、パラモデル、クワクボリョウタ、木藤純子、金氏徹平、青木陵子+伊藤存、鬼頭健吾、大西康明、半田真規の9組。
日常/ワケあり
2011年10月18日〜11月19日まで神奈川県民ホールギャラリーで行なわれている展覧会のカタログ。同展は、「日常/場違い」(2008年)の第2弾として開催されているもので、ニューヨークで活動する江口悟、田口一枝、播磨みどりの3名によって「ワケありな展示室に、ワケありの作家が制作するワケありの新作」が展示されている。
都市の解剖学──建築/身体の剥離・斬首・腐爛
カナレットの剥離/移植のヴェネツィア都市表象、ピラネージの蝟集/重層/撹乱する古代ローマの復元、ルドゥー/サドの性愛建築における対立物の一致、ユベール・ロベールのフランス革命期の廃墟表象、ゴーティエ/ユイスマンスの文学的病理学者の眼差し、これら対象の表皮を切り開き、剥がし、あるいは切断する、眼の指で撫でるような欲望を内に秘めた、都市へと向けられた解剖学的な眼差しの諸相を呈示する![本書帯より]
文化のための追及権──日本人の知らない著作権
絵画や彫刻を作る芸術家は、日本では一度作品を売却した後は、オークションなどによっていくら作品の価格が上昇しても、一切収入を得ることが出来ない。これではアーティストはなかなか育たないだろう。実はこれは日本の文化的貧困につながる大問題である。ヨーロッパやアメリカの一部では「追及(利益配当)権」という著作権の保護システムによって、作者の利益がそうした場合においても保証されるシステムが作られている。本作では、著作権についてわかりやすく解説しつつ、その一部としての追及権について日本で初めてくわしく紹介する。[集英社新書サイトより]
浅草のうち(くうねるところにすむところ:家を伝える本シリーズ 27)
浅草文化観光センター設計競技での応募案をベースに、浅草の持つ場所性、空間性の魅力を引き出し、浅草のまちに、「うち」のような居心地の良さを見出す。家を伝える本シリーズ復刊2冊目。[平凡社サイトより]
2011/11/15(火)(artscape編集部)