artscapeレビュー
丸山純子「ユートピア トトピア」
2011年11月15日号
会期:2011/08/06~2011/11/06
横浜市中区本町6丁目第二公区[神奈川県]
馬車道駅のすぐ近くに位置する50メートル四方ほどのアスファルトの地面に、廃油からつくった石鹸の白い粉で大きな花の絵を描くプロジェクト。その空地に隣接する宇徳ビル4階にスタジオを構える丸山が発案し、関係機関と交渉して実現させたもの。花の直径だけでも30メートルくらいあるので、地表からだとなにが描いてあるのかわからないが、宇徳ビルやランドマークタワーの上階からならよく見える。また、雨が降ると流れてしまうのでそのたびに描き直さなければならず、実際9月に見に行ったときには台風の後だったためなにも見られなかった。今回は宇徳ビル8階のガラス張りの部屋からながめる。何度も描き直しているため、しかもそのつど違う花を描いているため、わずかながら以前の線が何本も残り、図らずもマティスのドローイングのように生動的な効果を生み出している。これはいいかも。
2011/10/20(木)(村田真)