artscapeレビュー
小沢さかえワークショップ「あたらしい星座」
2011年11月15日号
会期:2011/10/02
京都市美術館[京都府]
「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展──印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション」関連企画として開催されたワークショップ。印象派の絵画にならい、「描くことを見つめなおす」というテーマで行なわれた。1回目の講師は画家の小沢さかえさんで「あたらしい星座」というタイトルも魅力的だったので参加した。内容は、黒いケント紙の画面に散りばめるようにジェッソで白い点を打ち、それらの点と点を結んで思い思いにイメージをつくり、さらにアクリル絵の具で絵を描いたり着彩していくというもの。参加者のほとんどは大人だったのだが、普段は絵の具にも筆にも触れることがないという人が多かった様子。私もその一人で、はじめは緊張して手つきも恐るおそるだったが、他の参加者とおしゃべりしながら進めていると、どんどん画面に色が増え、イメージもころころと変わっていく。終了時には、全員で各作品を見て回ったのだが、テーマから逸れることなく星空や宇宙のイメージを描いたもの、まったく星図や星座とは関係ないように見えるものなど、完成作品も実にさまざまで面白い。想像力を自由に働かせ絵を描くということの難しさも改めて思い知った気分だったが、他の参加者がどんな感想をもったのかも気になる。なんにしろ、このようなワークショップがあると展覧会鑑賞においてもまた違う楽しさがあじわえるはず。今後にも期待したい。
2011/10/02(日)(酒井千穂)