artscapeレビュー

横浜を撮る!捕る!獲る! 横浜プレビュウ

2011年11月15日号

会期:2011/10/14~2011/11/06

新・港村(新港ピア)全体[神奈川県]

中平卓馬、森日出夫、石内都といった大御所から、佐久間里美、三本松淳らの若手まで、横浜をテーマにした写真展。新・港村には大小三つのギャラリーがあるが、作品はギャラリーだけでなく四つのゾーンに分かれた村全体に散りばめられている。宮本隆司と佐藤時啓はピンホールカメラで新港ピアや関内をとらえ、楢橋朝子は大岡川の水面から風景を撮影、山崎博はおそらく港の明かりを浮遊する光として表現、小山穂太郎は横浜港を撮った巨大なモノクロ写真をつなげ、逆に鈴木理策は小さな写真で展示を重視、といったように作品も展示も各人各様。それはいいのだが、同時期にBankARTスクール飯沢耕太郎ゼミの発表や東京芸大の写真展なども重なり(「アペルト」とも呼ばれる)、それらの展示も各所に散らばっているので、いったいどれがだれの作品なのかわかりにくい。まあだれの作品かわからなくても、見れば質の違いは歴然だけどね。

2011/10/14(金)(村田真)

2011年11月15日号の
artscapeレビュー