artscapeレビュー
表現するファノン──サブカルチャーの表象たち
2011年11月15日号
会期:2011/10/29~2011/11/23
札幌芸術の森美術館[北海道]
ぼくも出させてもらっている展覧会。これは3年後に予定されている札幌ビエンナーレのプレ企画という位置づけで、プレ企画全体が「アートから出て、アートに出よ。」をテーマにしているらしい。つまりアートのど真ん中を行くのではなく、アートの周縁を行ったり来たり出たり入ったりするサブカルチャーを軸にしようということのようだ。なぜそうなのかといえば、初音ミクが札幌出身だからというのがひとつの理由だといわれている。「らしい」とか「ようだ」とか「いわれている」とか曖昧な書き方しかできないのは、すべて受け売りだからです。もうひとつ受け売りすると、タイトルの「ファノン」とはファン+カノン(基準・規範)の造語で、「ファンやユーザーによって生成されるコンテンツやその活動」を指すらしい。知ってた? そんなわけで展覧会も、レトロかつ未来的に改造したカスタムバイクが何台も並んでいたり、台上に立つと周囲のスピーカーから拍手喝采が鳴り響いたり、展示室にメイドカフェを設けたり、サブカル的オタク的コンテンツがいっぱい。で、なんでぼくの作品が出ているのかというと、画集をそのまま描いたぼくの絵が「2次創作」に当たるからだそうだ。なるほどそういう見方もあったのか。まあ出していただけるなら理由はなんでもいいけどね。
2011/10/29(土)(村田真)