artscapeレビュー
内山聡 展 The human being to click, the animal to click, the machine to click クリックする人間、動物、あるいは機械
2015年02月01日号
会期:2015/01/16~2015/02/15
Gallery OUT of PLACE NARA[奈良県]
内山聡は、芸術作品の創作行為を分解・再構築する作家だ。前回の個展ではカラフルな紙テープを用いて、おそろしく労力のかかった、それでいて美しい作品を発表した。本展でもその作風は健在で、エアマット(緩衝剤)のプチプチ部分に9色の絵具をランダムに注入した平面作品を、なんと1ロール(41メートル)にわたって展開したのだ。そこには「行為」と「連続」と「時間」があり、絵の具とビニールという「物質」があり、分解された各要素を統合することで生まれた「表現物」がある。観客は「この人よくやるよ」と半ば呆れつつ、作品の魅力から目が離せない。
2015/01/16(金)(小吹隆文)