artscapeレビュー
高橋治希展 ─呼吸するように─
2015年03月01日号
会期:2015/01/15~2015/01/30
galerie 16[京都府]
ツル科の植物を模した造形物が、画廊空間いっぱいに展開されていた。高さは人間の膝上から腰ぐらいであろうか。ツルは海面のように波打ち、琳派の水流表現にも通じるところがある。花の部分には絵が描かれており、それを見た時、ようやくこの作品が磁器だと気付いた。筆者は2010年の「瀬戸内国際芸術祭」で彼の作品を見た経験があるが、その時は日本間での展示だったため、ホワイトキューブで見る今回とは印象がまるで違う。それにしてもこの細長いツルの部分はどのように作っているのか。高橋は金沢在住で、作品は九谷焼ということだが、本当に大した技術である。
2015/01/24(土)(小吹隆文)