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ニュー・ヴィジョン・サイタマ 5 迫り出す身体

2016年12月15日号

会期:2016/09/17~2016/11/14

埼玉県立近代美術館[埼玉県]

埼玉ゆかりの若手アーティスト7人の展示。小左誠一郎と高橋大輔と中園孔二は絵画、小畑多丘は彫刻、鈴木のぞみは写真、二藤建人はインスタレーション、青木真莉子は映像とインスタレーション。小左も高橋も中園もみんないい絵を描いてるけど、高橋と中園は示し合わせたように壁一面が埋まるほど大量の作品を出している。1点1点じっくり見せるより、量とバリエーションで圧倒している。特に高橋は壁だけでなく床にも絵のほか額縁やクレート、絵皿まで並べていて楽しい。ただし、高橋が同館のコレクションから選んだ速水御舟の日本画も隅っこに展示しているが、これは余計じゃないか。鈴木のぞみは解体前の民家を借りて窓ガラスに感光材を塗り、そこから見える風景を7日間もの長時間露光で焼きつけた「窓ガラス写真」を出品。しばしば写真は窓にたとえられるが、これはたとえではなく窓そのものに画像を写すことで、写真の原点に迫っている。二藤はいつも驚かせてくれるが、今回も期待以上に驚かせてもらった。展示室に部屋が丸ごとひとつ天井から吊るされ、ハシゴを伝って部屋に入ると布団が敷いてあり、なんと爆弾が寝ている。こいつと添い寝しろってわけだ。部屋の下は爆発跡のように穴が開いている(ように見せかけるため、わざわざ床を数十センチ上げてある)。いやーどれも楽しめた。出品作家たちはいつになくがんばってるように感じた。これもトリエンナーレ効果かもしれない。

2016/11/12(土)(村田真)

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