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石内都「命の衣─百徳と背守り」

2016年12月15日号

会期:2016/11/05~2016/12/18

鎌倉画廊[神奈川県]

閉廊まであと1時間。画廊は鎌倉山にあるので、4人いるからタクシーを飛ばそうと思ったが、なかなか来ないのでやっぱりバスで行くことに。どっちにしろ道は1本しかなく、すごい混雑で間に合わないことがわかったため、車中から電話して画廊を開けておいてもらい、15分ほど過ぎて到着。今日は交通難だ。今回の石内都展は、幼児の着物の背中に魔除けの刺繍を施した「背守り」と、老人や近所の人たちから集めた端切れを縫い合わせて子どもの成長を願った「百徳着物」を撮った写真の展示。着物のシワを伸ばして折り目正しくきっちり撮るのではなく、シワの陰影や部分的なボケなどをむしろ強調しているようにも見えるのは、石内がこれらを「標本」としてではなく「生体」として捉えているからではないだろうか。いいかえればこれらは「静物写真」ではなく「生物写真」なのではないか。

2016/11/26(土)(村田真)

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