artscapeレビュー

KYOTO EXPERIMENT 2016 AUTUMN マーティン・クリード

2016年12月15日号

会期:2016/10/22~2016/11/27

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA[京都府]

マーティン・クリードといえば、国際展では思わず笑ってしまうような作品を見かけるが、日本ではほとんど見る機会のないアーティスト(広島現美で個展が開かれたことがあるが)。それが京都芸大のギャラリーでやるのは、今秋の京都国際舞台芸術祭にダンスパフォーマンスを発表した縁だ。今回の作品は小泉明郎と同じく映像2本。1本は、60年代的な時代がかったポップ音楽と、白髪まじりのモジャモジャ頭のおっさんが登場する映像のコンビネーションで、なんじゃこりゃ。もう1本は、通りをいろんな人が歩いて行くのを追うだけの映像だが、ちょっと脚を引きずってる人から、かなり脚を引きずってる人、最後は脚で歩けず手と尻だけで進む人という具合に、どんどん重症化していく。小泉の映像とは逆に、一見シリアスなのに笑ってしまいそうになる。ブラックジョークの得意なイギリスっぽい。

2016/11/25(金)(村田真)

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