artscapeレビュー

エリザベス ペイトン:Still life  静/生

2017年02月15日号

会期:2017/01/21~2017/05/07

原美術館[東京都]

3年前のミヒャエル・ボレマンスに続く待望の絵画展。そういえばボレマンスとペイトンの絵は似てないけど似てなくもない(どっちや!)。どちらも人物が中心で、ペインタリーで、部分的に薄塗りで、小さめの作品が多く(原美術館が会場だからか?)、そして追従者が多いからだ(来年の卒展にはますますペイトン風の絵が増えるはず)。でも違いも大きい。ペイトンのほうがプリミティヴで、色彩が美しく、絵画としてより自律しているように見える。ドラクロワやクールベのよく知られた絵画、あるいはジョージア・オキーフ、カート・コバーン、ヨナス・カウフマンの肖像など、彼女にとって身近で愛すべきモチーフが採り上げられるのも特徴だ。この親密さと小ぶりのサイズがコレクターにはたまらないのよ。出品作品の大半は個人の所蔵だという。

2017/01/20(金)(村田真)

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