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郵政博物館、台北二二八国家紀念館

2017年02月15日号

[台湾、台北市]

未踏だったミュージアムのエリアを散策する。郵政博物館へ。新年を意識した干支の切手特集もよかったが、各国のアーカイブが充実し、日本セクションではまる。個人的にも昔収集していたが、最も絵を覚えていたのが、1976-77年発行の切手だったから、その頃に熱中していたことがわかる。それにしても昭和時代は、国立の建築がオープンするたび、記念切手が出ており、祝福されたことがわかる。無駄使いとバッシングされるいまとはまるで違う。
隣の二二八国家記念館は、かつて絵も展示した1930年代の教育館を保存し、事件の記憶を伝える施設にリニューアルする。台湾は近代建築を本当によく残しており、感心させられる。悲劇を伝える常設エリアは、リベスキンドの《ユダヤ博物館》の影響を受けたものと思われる、斜めや裂け目の展示デザインだった。企画は戦争博物館などを紹介する。

写真:左列=《郵政博物館》 右列=《台北二二八国家紀念館》

2016/12/30(金)(五十嵐太郎)

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