artscapeレビュー
《伊東豊雄的劇場夢》觀念建築展─探索建築大師的哲學思維
2017年02月15日号
会期:2016/08/26~2017/01/31
台中国家歌劇院[台湾、台中市]
1年9カ月ぶりの台中国家歌劇院へ。内装がないときは、ひょうたんの空間形式がわかりにくいのが気になったが、完成したインテリアを体験すると、それとは別の明るい洞窟の楽しさがあることに納得した。運営も開放的で大勢の来客でにぎわう。ホールのホワイエも自由に見学でき、格式のあるヨーロッパの劇場だと逆に難しいかもしれない。1階、5階、屋上にVVG系列の店舗が入り、低密度の商業スペースとしても豊かである。オープンを記念して、伊東豊雄の観念建築展が開催中だった。人気のコンテンツで、約1時間待って入場した。いくつかの模型が吊るされるなか、彼のエマージング・グリッドの幾何学的な思想を表現する映像が、うねうねした壁や床に投影される。これを観客はでかいクッションに寝転びながら、リラックスして鑑賞するのだが、なかなかよい。ところで、今回いくつか台湾ガイドを見たら、台中自体が掲載されていない、もしくはあっても、国立美術館もオペラハウスも紹介していない。日本人は美術館も建築体験も興味がないということか。
写真:左上3枚=《台中国家歌劇院》 左下=VVG系列店 右上2枚=伊藤豊雄展、右下=《台中国家歌劇院》庭
2016/12/29(木)(五十嵐太郎)