artscapeレビュー
《旧三井銀行小樽支店》《市立小樽美術館》
2017年09月15日号
[北海道]
小樽を再訪した。前回は吹雪くなかの見学で、かなり視界がさえぎられたが、今回はちゃんと建物のファサードを見ることができた。ニトリ小樽芸術村のプロジェクトで修復された《旧三井銀行小樽支店》の内部が新しく見学可能になっている。当時の詳細図面、工事写真、ボーリング調査など、建築的には素晴らしい展示だった。しかし、一般の人にとって700円は高いと思われるかもしれない。小樽は明治から昭和初期の様式建築で有名だが、《市立小樽美術館》は小坂秀雄が手がけたほれぼれするような郵便モダニズムである。ここでつとめた後にアーティストになった一原有徳の展示と夕張の企画展を見る。後者は見たばかりの夕張の駅やダムの風景ほか、街に触発された現代美術を紹介しており、面白い内容だったが、残念ながらこのカタログは制作していないということだった。
写真:上から《旧三井銀行小樽支店》《市立小樽美術館》
2017/08/17(木)(五十嵐太郎)