artscapeレビュー
《康楽館》《立佞武多の館》
2017年09月15日号
[秋田県]
秋田の小坂町に入り、明治時代の康楽館へ。これまでにも類似した芝居小屋はいくつか見学したが、外観が和洋折衷のタイプは初めてかもしれない。が、なによりも30年前に補修した後、毎日、芝居を上演し、生きた施設として活用していることに驚く。これはかつて鉱山の厚生施設だったが、その繁栄ぶりが想像できる。なお、近くに移築した3階建て、中央に螺旋階段をもつ洋風建築、小坂鉱山事務所も関連施設だった。
五所川原の立佞武多の館へ。80年ぶりに復元し、復活した巨大なねぷたの祭のための展示施設である。なるほど、立ち姿のねぷたが20m超えなので、本当にデカイ! 大阪万博のときのデメよりも大きく、5階建てのビルが動くかのように街に出撃するのだろう。この施設は最初にエレベータで最上部まで上がり、螺旋スロープでねぷたのまわりをぐるぐると降りる。出動時は跳ね橋のように、スロープの一部が途切れ、大きな壁が開き、3体が外に向う。まるでロボットの秘密基地ではないか。
写真:上3枚=《康楽館》 下2段目2枚=《小坂鉱山事務所》 下2枚=《立佞武多の館》
2017/08/06(日)(五十嵐太郎)