artscapeレビュー
《真駒内滝野霊園の頭大仏》
2017年09月15日号
[北海道]
札幌国際芸術際を離脱し、見ておきたかった場所をめぐる。まず《真駒内滝野霊園の頭大仏》へ。これは安藤忠雄がデザインしたランドスケープであり、ラベンダーの丘を2つに切断する中心軸を進み、直交する水庭(両サイドにロトンダを置く)を過ぎると、今度はトンネルをくぐって、最後に大仏を見上げる。なかなか普通の建築の仕事で、ここまでアプローチのためのランドスケープをつくることはできないので、地方都市の霊園ならでは、というか建築家冥利のプロジェクトだ。ただし、おそらく都築響一の「ロードサイド・ジャパン」で紹介していた霊園の入口に並ぶモアイ像の群やストーンヘンジの実物大(?)レプリカは、なかなかにキッチュな風景で唖然とする。大仏が古い時代のものだと勘違いして訪れていたイタリア人の集団がいたけれど、彼らもびっくりしていたようだ。
2017/08/17(木)(五十嵐太郎)