artscapeレビュー
ねぷた祭
2017年09月15日号
[青森県]
平川の新市庁舎コンペの審査後、弘前に移動し、ねぷた祭を見たが、初めての経験である。まず驚かされるのは、歩道で場所とりを行ない、勝手に椅子を置き、市民が観覧している公共空間の使い倒し方だった。ねぷたのパレードは車道を使うわけだが、歩道を占拠し、観客席に変容させるプログラムの書き換えである。そしてヤンキー魂溢れる、ねぷた群のダイナミックな可動デザインは、まさにヤンキーバロックだ。下手な現代美術よりも迫力があり、しかも圧倒的な大衆性を獲得している。
2017/08/05(土)(五十嵐太郎)