artscapeレビュー
《久留米シティプラザ》
2017年09月15日号
[福岡県]
着工前にレクチャーで関わったプロジェクトということもあり、完成した姿を見るために、香山壽夫らによる《久留米シティプラザ》を訪れた。横浜のKAATなど、香山による他のホールとの共通点も多いデザインだが、むしろ異なる部分が興味深い。これはアーケードに隣接する、閉鎖した百貨店の建て替えプロジェクトであり、中心市街地の空洞化を避けることも意図していた。ゆえに、端部の大きな屋外広場を抱え込みながら、透明性が高いデザインによって市民への開放をより強く打ち出した点に現代性が感じられる。大ホールのホワイエも閉じられた空間ではなく、通行人が行き交う場所になっている。
写真:上=《久留米シティプラザ》外観 左上=屋外広場 左下=大ホール 右下=大ホールのホワイエ
2017/07/16(日)(五十嵐太郎)