2019年11月01日号
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artscapeレビュー

松本倫子展「ニューヨークに銭湯」

2019年11月01日号

会期:2019/09/27~2019/10/27

BankART SILK[神奈川県]

フリーハンドで丸っこく切り抜いたカラフルな板が、壁一面に飾られている。よく見ると、どれもネコが1匹から数十匹まで固まった形をしているのだが、曲線で分割された面には蛍光色や赤、緑、水色などおよそネコらしくない色彩が施され、水玉やウロコ模様まで描かれている。中世のアラベスク模様を思い出させるが、パラノイアックなアウトサイダー・アートと見ることもできるし、ポップな現代絵画と捉えることもできる。しかしその「どれでもなさ」が彼女の作品の特質だ。

展示も、四角いタブローなら横一線に並べるところだが、丸っこい板なので、まるでネコがくつろぐように壁一面に散らしている。これは楽しい。板だけでなく、襖、仮面、ショッピングバッグに描いた作品もある。ドローイングには、ネコが玄関の上に居座る《ニューヨーク銭湯の外観》と題する作品もあって、これがタイトルにも使われているわけだが、いうまでもなく「入浴」と「銭湯」をかけたダジャレ。

2019/09/28(土)(村田真)

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