artscapeレビュー
CAF賞 2019
2019年11月01日号
会期:2019/10/01~2019/10/06
ヒルサイドフォーラム[東京都]
全国の美大をはじめとする学生を対象にしたアートアワードの6回目。主催は前澤友作氏が会長を務める現代芸術振興財団で、最優秀賞に選ばれれば賞金100万円のほか、個展開催の機会が与えられる。ジャンルは絵画、彫刻、インスタレーション、メディアアートなど多彩で、審査員はなにを基準に選んでいいのか迷うだろう。今回の入選作家は12人だが、東京芸大と武蔵野美大が各5人を占めている。偶然にしては偏りすぎてないか。
いくつか目についた作品を挙げると、自転車を漕ぐのではなく、自転車自体を回転させる東弘一郎《他転車》、パリの美術学校で男性彫刻の下腹部に欠けている突起を勝手に付け加える敷根功士朗の映像、四畳半の和室をしつらえ、その奥にひと回り小さな部屋をつくり、さらにその奥にもひと回り小さな部屋をつくり……を4回繰り返す浅野ひかり《四畳半を想う》、50個の青いチープなハンガーを曲げて人の手のようにし、その上に卵を置いたサカイケイタ《命がけ》。これらはいい悪いという以前に、しっかりつくっていて好感が持てた。
2019/10/04(金)(村田真)