artscapeレビュー

竹山聖+アモルフ《強羅花壇》

2009年02月15日号

[神奈川県]

竣工:1989年

NPOの地域再創生プログラムのメンバーが企画した新年の箱根への建築ツアーにおいて、もっとも印象に残った建築。高級料亭旅館としても有名だという。アプローチからはほとんど外観が見られず、エントランスに入ると実は6階部分で、客室はそこから降りていく。120メートルあるという大列柱廊が圧巻。金融危機のまっただ中、バブルの絶頂期に出来た建築を見るというギャップが印象的だった。そういえば、これは一種のリゾート建築ともいえる。リゾート建築は、あまり建築の本流として語られない傾向がある気がするが、その源流ともいうべきジェフリー・バワや、オーストラリアのケリー・ヒルの建築と比較すると面白いのではないだろうか。あの列柱廊、どこかでリゾート建築として似たような形式を見たような気がするが思い出せない。

2009/01/11(日)(松田達)

2009年02月15日号の
artscapeレビュー