artscapeレビュー
新人画会展
2009年02月15日号
会期:11/22~1/12
板橋区立美術館[東京都]
戦中の1943年、靉光、麻生三郎、井上長三郎、鶴岡政男、松本俊介ら8人の画家により結成された新人画会。彼らが戦中に開いた3回のグループ展の出品作品を中心に、戦前・戦後の作品もあわせて展示している。別に戦中だからって、体制翼賛的な作品がないのはもちろんのこと、反戦的な表現もなく、淡々とふだんどおりの絵を描こうとしている。それが彼らの意図だったのだろう。ただ全体に暗い印象は否めない。興味深いのは、戦前は明るい絵を描いていた人も、戦争を機に戦後も暗い絵を引きずった(または引き受けた)ことだ。そこが彼らと同世代の岡本太郎との違いかもしれない。どっちがいい悪いということではなく。ちなみに、8人のなかでは靉光が図抜けている。
2009/01/09(金)(村田真)