artscapeレビュー
松本央 展「PROTOZOA」
2009年02月15日号
会期:1/27~2/1
アートスペース虹[京都府]
京都市美術館の卒業制作展の会場にも大作が二点展示されていたが、こちらは自宅で撮影した自身の写真をもとに数カ月をかけて描いたという自画像。松本はこれまでずっと自画像を描いている。モチーフを他人に変えて描いてみたこともあったが、なんだか描いているとモデルへの「遠慮」が入って納得できるものがなかなかできなかったからだという。以前の作品ファイルを見せてもらった。面白いほどにテクニックの上達過程がうかがえる。自画像はよくあるし、たしかに巧いけれどそれだけではない魅力を放っている。技術にも自画像にも若い時代の苦悩や成長が瑞々しく表われているせいだろうか。
2009/01/31(土)(酒井千穂)