artscapeレビュー

松尾直樹 展─Spacing 3(登場と退場)─

2009年06月01日号

会期:2009/05/05~2009/05/16

ギャラリー16[京都府]

ギャラリー16が進めている「シリーズ80年代考」の4回目。松尾直樹が1983年から85年に発表した4作品が展示された。いずれも一辺が2メートルを超える大作で、激しいストロークが特徴。ニューペインティングのブームが頂点を迎えた当時の作品であることが良くわかる。保存状態が良かったのか、四半世紀前の作品とは思えぬほど絵具の発色がフレッシュだったのも印象深かった。当時の関西では「関西ニューウエーブ」と呼ばれるほど絵画シーンが盛り上がりを見せたが、それをどう評価し位置づけるべきかという議論がきちんと行なわれていない。当時活躍した批評家や学芸員が現役のうちに美術館で企画展を行ない、再評価に着手してほしい。

2009/05/05(火)(小吹隆文)

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