artscapeレビュー
日野田崇 個展「変形アレゴリー」
2009年06月01日号
会期:2009/05/16~2009/06/13
イムラアートギャラリー[京都府]
漫画の語法を大胆に導入した陶オブジェで知られる日野田。今回は、邪鬼らしきものを踏んづけてポージングする2体と、葱坊主のような1体、内と外の区別がない抽象的な形態のオブジェ2点、土下座のようなポーズで壁面に貼りつけられた1体などが出品された。オブジェの表面はグラフィティー調の絵で埋め尽くされ、刺青のよう。会場の床と壁面には、カッティングシートによる漫画のコマや記号を思わせる模様が貼られている。陶芸が持つ質感やリアリティを残しつつも、どんどん立体と平面が融合した世界へ進みつつある日野田の現状が良くわかった。
2009/05/16(土)(小吹隆文)