2019年09月15日号
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artscapeレビュー

第36回人人展

2010年05月01日号

会期:2010/03/14~2010/03/24

東京都美術館[東京都]

1974年に中村正義や山下菊二、星野眞吾らを中心に結成された人人会。本展は同会が主催する36回目の展覧会。団体展にありがちな因襲的な気質や窮屈な束縛感とは裏腹に、なんでもありの作品が立ち並び、見ていてじつにおもしろい。妖怪のような奇妙な生物を描いた大野俊治やF1のような流線型のフォルムで自動三輪車を作り出したLUNE、人間の横隔膜を精緻に描き出した亀井三千代、軽妙洒脱な墨絵を描いた古茂田杏子など、それぞればらばらな作品ながらも、密度が濃い。なかでも伝説のハプナーにして「ビタミン・アート」の提唱者で知られる小山哲生は、マリリン・モンローの顔をモチーフにした絵を十数枚発表したが、その顔面を微妙にデフォルメしながら最終的に骸骨まで描ききる展開の過程がおもしろい。セックス・シンボルとしてのマリリンが内側に抱える闇をえぐり出すような小山の手つきと視線が恐ろしくも感じられる絵だ。

2010/03/22(火)(福住廉)

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