2019年11月15日号
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artscapeレビュー

関さなえソロダンスvol.6 縞々─私はタマネギを食べられない

2010年05月01日号

会期:2010/04/09~2010/04/11

GALLERY MAKI[東京都]

ダンサー関さなえの公演。前回のストイックでコンセプチュアルなダンスとは対照的に、今回は幼少の頃の身体の動きに回帰したかのような踊りを見せた。水であふれた長靴に足を突っ込み、上半身を固めたまま、足の指を水中でぐちゅぐちゅさせる遊びなど、誰もが一度は経験したことのある感覚が強く呼び起こされる。ただし、こうした原点回帰はたんに幼児の身体所作に立ち戻っているわけではなく、ダンサーとしての身体の奥底にまで滲みついてしまった西洋近代の身体技法を乗り越えるための方法なのだろう。随所に立ち現われるモダン・バレエの動きは、幼児の身体所作を意図しながらも、おのずと発現してしまう西洋近代的な身体技法のクセのように見えた。そのクセを否定的な契機として押さえ込むのではなく、肯定的な契機として生かしながら、新たな身体技法を切り開くことを、関は目指しているのではないか。

2010/04/09(金)(福住廉)

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