artscapeレビュー
グラン・パリ構想
2010年07月15日号
[フランス、パリ]
サルコジ大統領が立ち上げ、2030年を目指し、パリの領域を拡大しつつ大改造を加える計画。大きく三つあり、10組の建築家による都市計画構想に基づくもの、経済発展を軸としたもの、交通手段を軸としたものとに分けられる。特に、建築家による提案では、パリ大都市圏の未来を、フランスからは、クリスチャン・ド・ポルツァンパルク、ジャン・ヌーヴェル、ロラン・カストロ、アントワーヌ・グランバックら6組、国外からはMVRDV、リチャード・ロジャースら4組の建築家が提案し、パリ建築・文化遺産都市にて2009年4月30日から11月22日まで展示された。コンパクトで高密度な都市へと再集中を提案するMVRDV案や、セーヌに沿って首都圏をル・アーブルまで拡張しようというグランバック案など、いずれも興味深い。その後、首都を環状に取り巻く130kmのメトロを目玉としたグラン・パリ法案が2010年5月27日に上院・下院で採択、6月3日に公布され、パリ首都圏はこれから新たな方向へと変貌していくこととなった。
2010/06/25(金)(松田達)