artscapeレビュー

フセイン・チャラヤン──ファッションにはじまり、そしてファッションへ戻る旅

2010年07月15日号

会期:2010/04/03~2010/06/20

東京都現代美術館[東京都]

なんだファッションかよ。でもイスラム圏のトルコ出身というので見に行く。イスラムのファッションて基本的に身体を隠すだけだからね。ところが作者は、トルコ系だけどキプロス出身で、どこにもイスラムとは書いてない。誤った情報をウノミにして、勝手に妄想を膨らませていたのだ。ともあれ、最初にボロボロのドレス(土中に埋めて掘り起こしたもの)が展示されていて「お、いいじゃん」と期待したのだが、そのデビュー作(セント・マーティンの卒業制作でもある)を超える作品はなかったように思う。スピード、移民、遺伝子などの現代的なテーマを掲げ、レーザーやLEDといったテクノロジーを導入してるんだけど、そうしたテーマや手法そのものがモードとして消費されているようで、やっぱりファッションなんだなあと。

2010/06/10(木)(村田真)

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