artscapeレビュー

open! architecture 2010

2010年07月15日号

会期:2010/05/21~2010/06/13

[東京都]

UIA東京大会日本組織委員会フォーラムジャパン部会の斉藤理氏が中心となって実施している、建築を公開するイベント。2008年に始まり、本年で3年目。規模は徐々に拡大し、来場者数も毎年4割以上増えている。大きく三つの試みがある。ひとつは「建築解放区」で、都内のほか、神奈川、長野、大阪の建築で、普段入れないものなどを一般に開放し、解説も加える。二つめは「オープンハウス」で、建築家が自作を紹介する。三つめは「音楽イベント」で、名建築などを舞台として音楽演奏を行なう。ドイツやイギリスなどでは、このような建築開放の試みはすでに普及しており、大きなイベントとして行なわれているが、日本でこのようなイベントが行なわれはじめたことは意義深い。建築は、いったん施主の手に渡ると、公共建築や商業建築でなければ、一般の人が内部を見学することは難しい場合が多い。そのため、文化的に優れた建築も、なかなかその良さを知ることができない。しかし、open! architectureでは、建物が公開されることによって、その建物が地域や都市全体の「誇り=財産」となることにより、さらにその建物の意義が増すという考えのもと、多くの建物を公開している。このような流れが、日本における建築文化をより高める方向につながっていくことは、間違いないだろう。

URL=http://open-a.org/

2010/06/30(水)(松田達)

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