2018年06月15日号
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artscapeレビュー

松村正恒《八幡浜市立日土小学校》ほか

2016年07月15日号

[愛媛県]

竣工:1958年

松村正恒の建築を見学する。松山市内のRC造の《キクノ本社ビル》(補修のせいか、半世紀も前のものとは思えない)、そして雨の降るなか、八幡浜に向かい、木造校舎の《川之内小学校》を見て、代表作の《日土小学校》はじっくりと校内の各部屋もまわる。確かに一度訪れると、ファンになる奇跡のモダニズム。プランだけを見ると、一直線の片廊下でシンプルだが、現物は光と風をコントロールする巧みな断面の操作を行なう。川辺に張り出したテラスからは本体の姿を鑑賞できる。伝統的な木造建築は上部から採光しなかったが、《日土小学校》は近代的なセンスで試みた。もともと木と鉄のハイブリッド構造だが、丁寧に補強し、透明感を損なわないどころか増している。西校舎は武智和臣による新築で、日土のスピリットを継承しつつ、現代的にデザインを展開した開放感と透明感のある木造の校舎だ。
内子に向かう途中、大洲市内にて少彦名神社の参籠殿を見学する。急傾斜に建つ超懸造と言うべき建築だ。近年、アメリカのワールドモニュメント財団から資金援助を受けて、修復したらしい。

写真:左上=《キクノ本社ビル》 右上・中上=《日土小学校》、中下=武智和臣による《日土小学校》西校舎 下=少彦名神社参籠殿

2016/06/20(月)(五十嵐太郎)

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