クリテリオム69
デザインがアップしてくる。テキストを翻訳にまわす。
以下がテキストの全文
クリテリオム69 森 太三
紡ぎ出される「風景」
日常の中からイメージを抽出し、喚起力のあるものに置き換える。2006年になってから森太三は、「風景」を部屋の中に出現させる術を会得した。5月に《Sky mountains》を発表し、続く2作目が《Sea Sky》と題された本作品である。そして《Sea Sky》を造り終えた森は間を空けずして別の会場に向かい同様のやり方で3作目の制作に入った。
《Sea Sky》は、会場の床面を30分割したサイズのベニヤ板に1ヶ月半かけてパルプに凝固剤を混ぜた固めの紙粘土を起伏ある形状に造詣する下準備したものを持ち込み、養生した床にそれらを敷き詰め、継ぎ目にパルプを入れ一体化させた後にコーティングし、仕上げに青味がかった白色の樹脂塗料で着色したものである。このような明け透けな創作プロセスの開示が《Sea Sky》の視覚体験の喜びを色あせさせることはなく、目にするたびに純粋な視覚的体験として楽しむことができる。その理由は明白で集積されたパルプはもはやパルプではなく、時々に表情を変える「風景」へと変態しているからだ。
1週間の展示作業で空間はパルプを敷き詰められた作品部分と入り口部分と壁で2分され、入り口部分はさらに手前と奥に2分され、鑑賞者は奥の空間に立ち前方に広がる《SeaSky》と命名されたパルプの集積を見る仕立てになっている。仕切り壁は外光を遮り、波打つ床面の作品にきれいな陰ができるように照明をコントロールする物理的な目的のほかに、来館者が入り口をくぐり作品に出会うようにするためのものだ。この操作は作品を大きく拡がりのあるものに感じさせる役目と、鑑賞者の日常性を断ち切らせる結界の役目を担う。
鑑賞者の日常性の断ち切りとは全方位的な拡散した意識を、無自覚の内に見ることに集中する姿勢をとらせることを意味する。しかし森は《Sea Sky》の波立つ形状をモノとしてではなく、「風景」として眼差すことを求め、光を制御し均一ではない陰影で表情を際立たせる。
《Sea Sky》のタイトルが示すように、目にした鑑賞者は、さざなみ立つ海を想起し、空から見下ろした連山を想起する。どこの場所という特定感のない情景的な記述ゆえに、目に心地よいリズムの表層を視野にするうちに、鑑賞者はたやすく自己のイメージの世界に深く沈んでいく。《Sea Sky》は、風景として機能することで、鑑賞者の意識から日常性を拭いさる装置としての役割を果たす。
単純で単調な作業を集積させ、行為が表現に飛躍する瞬間を森は手を動かしながら待つ。しかし、そのような時間のすごし方は、傍から見るほどには単純で単調なものではなく、ましてや退屈な時間でもない。行為が表現に変態する時をまさに知る造形作家としての時の過ごし方を、森がなにかのきっかけで会得したことを2006年になって発表する一連の
作品が教えてくれている。森太三自身も変態し力ある作家へと脱皮した。このあと、どのような仕草で日常から日常性を拭い取り、「風景」を鮮やかに出現させる作品を手がけていくのだろう。《Sea Sky》を目にするつどに、楽しみな作家に出会えた確信を「風景」とともに味わっている。
写真は2点とも齋藤剛の撮影。いつもお世話になっているプロカメラマンの撮影。
漠然とした打ち合わせ
作家のアトリエを尋ねる。
2008年の開催を視野に展覧会をお願いした作家のアトリエを訪ねる。3時間ちょっとの懇談。急いで形にしたり結論を出す段階ではなく、展覧会を開催することを前提に何かを考える気持ちになってもらうことが目的。風呂敷はかぎりなく大風呂敷がよくて、それを実現可能にする筋道をあれこれイメージしながら、なにが一番楽しくなにが一番大切なことかを洗い出していく。初回の懇談としては実のあるものとなった。今後このようなキャッチボールを続けながら、形にする芽を選びながら検討を重ねることになる。楽しいことになりそうな予感を抱きつつ、アトリエを辞す。
ポジフィルムの切り出し
展覧会がオープンした翌週は、学芸の部屋もどことなく安堵感に満ちた落ち着きを取り戻す。僕はクリテリオム会場を撮影したポジが届いていたのを切り出し選び、デジタルデータの写真とあわせてデザイナーに渡す準備をする。
デザイナーの平井さんは20日の撮影時に立ち会ってくれてデザインイメージを固め、それにそっての撮影を行っている。ポジは純粋な作品の押さえ的な側面もあるが、採用にならないとも限らない。
連絡を入れて取りに来てもらう段取りをして、守衛さんに受け渡しを託す。
この日も前日の雨のため常磐線が不通状態。車で通勤する。おかげで部門会議に少し遅れる。
森太三 設営順調
クリテリオム69の森太三が作品と資材持ち込んで13日に到着。16日の朝までで、ここまでの作業を終える。
固まり。
アントニー・ゴームリー《昇華物IV (Sublimate IV) 》2004 の部分。
キューブの連なりが形態となるこの作品を一定の距離を持って観ていると「ロボット」に見えたり「人」に見えたりする。
ギャラリートーク
完成した新作《落下傘兵II》のもとでギャラリーク中のスゥー・ドー・ホー(画面左壁側でマイクを持つのが作家。中央に立つのが通訳の横田さん。)彼とマイケル・ライトと橋本公の3作家が自作の部屋でそれぞれ15分程のトークを行なった。通訳が入るから、1時間15分のギャラリートーク。それぞれが魅力的な話しを聞かせてくれた。
内見会
最後の追い込みをかけるスゥー・ドー・ホーが展示作業をする第3室での内見会風景。
企画担当者は、オープニング前日、記者>フェイス>CACトーカーと3連続で作品や管理場の注意点その他説明する。ガイドマラソンのような1日となる。
日比野展写真集入荷しました。
「日比野克彦の一人万博」展のリトルモアから出版した写真集が入荷されてショップに山積みになった。
このあと、展覧会記録集が出る。そして6月までにはNHK新日曜美術館のために収録した映像を編集したDVDで発売される。日比野展はまだまだ終わらない。
なんといっても“YESTERDAY TODAY TOMORROW”と続くのが心情のプロジェクト。
九州の太宰府に「飛梅」があるけど、まさ太宰府に飛び火した日比野プロジェクトの準備も進んでいる。恐るべし。
コンディションチェック中
霧島アートの森からの長旅を終え、無事到着し、開梱・仮置きされた作品を、立ち会った貸し出し先の学芸員餅原氏と借り受けた側の企画担当者である逢坂監督がチャック中の図。
その他の展示も順調に進んでいる。言葉と報道写真と美術作品による展覧会の全貌が姿を現しつつある。まさに今の時代意識(問題)を、メディアとしての美術館力を最大限に活用し、現実の社会でおきている事象を「展覧会」というフレームをすることで(テレビの現場からの報道とおなじで、あれも画角というフレームで切り取られた現実。)目に見えるようにする力技の展覧会会場がそこに生まれつつある。
「展覧会」も進化する。
入り口文字入る。
ギャラリー入り口にタイトル文字が入る。今日から3日間が展示作業の山場となる。
内装工事もほぼ終了
架設壁の設営も終わり、作品が搬入され、展示作業が始まるのを待つギャラリー。17日から展示作業が始まる。オープンは25日。
○○のよう。
亀の甲羅のように見えてしまい、思わず金網の記念撮影をした。
環境
大きめの水槽に引っ越してほぼ100日。グッと型が大きくなった金魚たち。環境は重要だ!
2月25日オープン
次回展「人間の未来へ—ダークサイドからの逃走」のボードになる。
完成/撤去
最終日まで描き続けられて終える。撤去までのしばしの間がこれ以上筆の入らない完成した状態となる。
われらの時代・オープン
コントルポアンに並んだ「われらの時代」のカタログ。平積みもされている。
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小室千帆 《unconditional love》2005
写真は椅子の座面に描かれたもの。あと、床と壁に一部書き込みがされている。小室千帆の出品作品はこれから会期中描き続けられることで完成する。会場を訪ねるタイミングでその様相は変わっているはず。お楽しみに!
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オープニングレセプション会場のお花。作家・関係者・お客様と年末の忘年会シーズンというのにお集まりいただき会場は賑わっていた。
*その写真は無いのか!と言われちゃいそうですね。85mmのレンズで人を撮っていてないんです。デジカメをポケットに入れておけばよかったのですがそれも忘れました。デジカメは30−31mmの画角だから余裕だったハズ。残念いや申し訳ないです。
オープニングレセプション後の挨拶が気づいてみると「良いお年をお迎え下さい。」になっていた。挨拶に時節が滲む。まさに年の瀬、暮れも押し迫ってきている。週明けは学芸員室の大規模な仮引っ越し作業。窓枠のメンテナンス工事が来週末から始まるためだ。そして収蔵庫の燻蒸もあり、25日で終わりとなる。
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ちょっと遅い時間なのでもう月は高い位置にあがってしまっている。満月+1日目。ちょっと長く外にいると寒い、すっかり冷えてしまいました。
「われらの時代」開幕まであと4日
6時43分。まだ太陽が顔を出す前を撮そうとレンズを交換していたら、あっと言う間に太陽がアタマを出していた。数分で日の出ショーは終わる。いつ目にしても飽きることはない。不思議な力が漲る瞬間。
ギャラリー内部では展示作業が順調に進む。平面作品はほぼ完了し、立体を出品する作家たちが展示作業に集中する。オープニングは17日。16日は内見会。展示作業に残された時間はあと2日ちょっと。
立見榮男 作品展示風景
芝田次男 作品展示風景
山田圭一 本人による作品展示作業の図
2005/10
Press Release 01
「われらの時代」と題する本展は、水戸芸術館の学芸員と複数の推薦委員が関わり、あえて複数の目による選出によって、様々な活動をカバーできるように構成したグループ展です。本展は、地域を視野に入れ、独自の歩みを展開している作家ならびにこれからの可能性を秘めた若手作家に焦点をあてています。
1990年に開館以来、現代美術センターは数多くの国内外の現代美術を紹介してきましたが、この15年間で、現代美術は、異ジャンルとのゆるやかな交流やサブ・カルチャーとの関わり、そして映像作品の台頭など、その表現は一層多様となりつつあります。今回は、そうした多様化する傾向の中で、むしろ地道に自らの作風を模索してきたアーティストやあえてオーソドックスな手法を踏襲してきたアーティスト、陶による表現の可能性や具象にこだわってきたアーティストなど25名を紹介します。
本展は、絵画、彫刻、インスタレーションなどを網羅しながらも、今まで水戸芸術館では、展示の機会があまりなかった表現分野にもスポットを当て、今日の美術をめぐる多様な側面を映し出すことを試みようとするものです。
【展覧会概要】
展覧会名:われらの時代
会期:2005年12月17日(土)→ 2006年2月5日(日)
開館時間:9時30分〜18時(入場は17時30分まで)
休館日:月曜日、年末年始2005年12月26日−2006年1月3日
※ただし、1月9日(月・祝)開館、1月10日(火)休館。
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
入場料:一般800円、前売・団体(20名以上)600円、
中学生以下・65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方は無料。
展覧会チケット発売:水戸芸術館エントランスホールチケットカウンター、
JR東日本みどりの窓口、びゅうプラザ
*一年間有効フリーパス→
ハイティーンパス「H.T.P.」1,000円/対象15歳以上20歳未満
おとなのパス 2,500円/対象20歳以上
※取扱は、水戸芸術館エントランスホールチケットカウンター
主催:財団法人水戸市芸術振興財団
協賛:アサヒビール株式会社
協力:株式会社創夢
出品作家:水戸を中心とした県内作家25名
企画:逢坂恵理子(水戸芸術館現代美術センター芸術監督)
浅井俊裕(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員)
高橋瑞木(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
【出品作家一覧】
氏名/生年/作品ジャンル
雨宮庸介/1975/インスタレーション
伊藤遠平/1976/立体
伊藤東彦/1939/陶芸
岩堀敏行/1972/絵画
オノマサキ/1973/平面
久米みどり/1951/陶芸
小林政美/1952/陶芸
小峰 尚/1955/陶芸
小室千帆/1974/インスタレーション
齋藤敏寿/1963/陶芸
櫻井りえこ/1977/絵画
芝田次男/1957/彫刻
鈴木りん壱/1970/絵画・立体
立見榮男/1940/絵画
戸田和子/ / 立体
内藤定壽/1957/絵画
中井川由季/1960/陶芸
中野裕海/1975/陶芸
西成田育男/1954/絵画
西成田洋子/1953/インスタレーション
根本しづ子/1959/絵画
増田克史/1972/立体
村山隆治/1954/絵画
山田圭一/1968/立体
横須賀幸男/1954/絵画
以上、五十音順
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「われらの時代」推薦委員
1 磯崎俊光/水戸美術家連盟副理事長
2 大森潤也/日立市郷土博物館学芸員
3 小泉晋弥/茨城大学教授
4 高橋正樹/茨城新聞社記者
5 寺門寿明/水戸市立博物館副館長兼学芸係長
6 外舘和子/茨城県陶芸美術館主任学芸員
7 森田清明/常陽藝文センター理事事務局長兼学芸部長
以上、五十音順
復旧・集荷・展示・制作。同時進行中
雲が低く広がり、朝になってもハッキリしないこんな日は、太陽も朝寝坊している気分になる。それでも10時過ぎにはいつものような明るい爽やかな青空がる。寒さが厳しくなった。
目には均一に見える自然光も、日の当たる側と反対側ではかなり違う。その違い(色温度)をカメラが捕らえると、こんなにまでくっきりとなる。
壁はすっかり白くなり、そして新しい空間に生まれ変わる。このタイプの空間は初めてかな。ちょっと新鮮。どんな展示の必然性からの空間どりか僕が知らない分どんな風になるのか興味深い。
グラフィティーの体験コーナーとなったワークショップの壁は、スプレーの色が膜状の層になっていて、もう剥がすしかなく、それを実施していたのが昨日。パテ処理をして、塗装も終える。これでワークショップの壁も含めて、ギャラリー内全ての壁の白壁復旧作業が完了する。
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復旧作業が一番最初に終わった8室では、順調に新作の制作が進行している。
制作中の自作を眺め検証・黙考する横須賀幸男氏。
作品集荷
5時0分。目が覚め、「ガバァ」と起き、あわてて時間を見たら5時ちょうどだった。
よかった。セーフだ!アブナイところだった。何時しか寝ていた。ベット脇のテレビが早朝の番組になって流れている。昨夜は、BankARTディレクターである池田さんの案内で辛い美味いラーメンを食べにNYKからタクシー2台で乗付けた。訪ねた先は「台湾采館」。深夜にも関わらず、あれやこれやとしっかりオーダーし、デブになることも恐れず、ガッツリ食べて腹を満した。とても美味い。ご馳走さまでした。幸せな気持ちのまま、冷える夜空の下、ゆらゆら歩いてホテルに戻ったのが2時頃(だったと思う)。そして目覚ましの設定をすることなく寝入った(らしい)。アブナイ。今日は9時スタートで筑波大学で作品集荷。
バスタブに湯を入れ眠気を覚まし、5時40分にはクルマを出庫し走しり出ていた。気抜けするほど渋滞はなかった。遅刻する心配は無い。そのかわりにガソリンがヤバイ。給油マークが首都高速横浜羽田線のみなとみらいランプから上がった途端、点灯した。終盤に近い守谷SAまでガソリンスタンドはない。けど高速を一度給油のために降りる気もしない。走行可能距離と総走行距離からすると、どうにか守谷SAまでもつ。その計算を信じてひたすら走る。ガソリンスタンドが近づく程にヤバさが増す。三郷過ぎてから守谷SAまで残り10キロ地点になるまでの間が、一番ドキドキ、ハラハラ。クルマも増え一群となって併走している。ここでガス欠エンストしたら……と思いながら走り続け、計算どおりの残量でクルマのためのオアシス、ガスステーションに着いた。
6時40分頃。ちょうど走り始めて1時間。
早朝のガソリンスタンドは、混んでいて並んで待った。58リットル入る。残量2リットル。3度給油し損なったのが理由。でも立ち往生することなくて本当に良かった。満タンになって重たくなったクルマで再び走り出した。
写真データは7時12分となっている。どことなく昨日見たリヒターの絵の雰囲気の青い空。
一端自宅に寄り、もう一度お湯に浸かり、軽く朝食を食べてから、「われらの時代」に出品していただく斉藤敏寿氏の作品《archetype50024》集荷担当者として筑波大学の工房を訪ねる。9時前にはじめた積み込みは10時前には完了し、水戸芸に向かって走り出す。午前中に搬入を完了。
2作品のパーツが床に並ぶ。
13時から組み上げ作業開始。前日に搬入された《archetype00021》と併せて、2作品の組み立て作業は予定より早いテンポで進む。
上下共に左:《archetype00021》 右:《archetype50024》
19時にはライティング作業も終える俊足の設置。お疲れ様でした!
館の外に出ると、とても寒い。いつもは電車で通っている身なれども今日はクルマ。2日間に渡る久しぶりのロングドライブ最後の走り。常磐自動車道を気持ち良く高速移動して終える。
教訓:ガソリン給油はお早めに。(雪道渋滞でガス欠になった話しを聞いたことがあります。)
展示替え
次回展覧会の看板貼り付け工事中。終わった翌日、次の展覧会の案内と入れ替わる。
展示室ではバフ作業が始まる。
白く復帰させるために、これだけの量を使う予定のよう。
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午前中はAEDの館内研修を受講。
夕方は、京都から会場を見に来た森千裕と会場を回る。その際に始めてランプの中に入る。ちょうどこのあたりでの展示を想定しているため。
ホームグランド
芸術館の庭から空を眺める。
次回展覧会のポスター。
TAP2005の撤収作業の報告メールが入ってくる。本当に最後の最後までおつかれさまです。これでまたTAPヒルズは「強者どもの夢のあと」となり、開発予定地として再び誰も立ち入ることの出来ない閉じた場所となる。
人混みの熱気に押されて外でも集う関係者。寒さも忘れての歓談。(11月27日)
鯉(恋)のぼり隊組の取手地元のおじさま方も満足げ。(11月27日)
大人も子供も楽しんだTAP。関係者一同には「ヤッター!」の満足に浸る満面の笑顔と感涙があったTAP2005のクロージングでした。でも本当は、ここから何かが始まると、ちょっとヤバイ魅力満載のアートプロジェクトになるんだけど、まだ求めないのがちょうどいい(かな)。
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しかし本当の文化戦略的創造都市というのもは、どうやったら構成されていくのだろう。11月26日の午前中に椿さんに挨拶するために覗いたコンファレンスを思い返すほどに疑問が渦巻く。
僕たちは何ができるのだろう。何をどうイメージしたらいいかを躍起になって学んでいる最中のように思えてならない。かく言う私もすでにその一人なのかも知れない。
つくづく思うけど、なんだかんだと年次テーマとなりそうなキーワード(お題目)が登場するなぁと感心してしまう。なにごとにも仕掛けがあって、このプログラムは2005年を「日・EU市民交流年」と位置づけた2002年の第11回日・EU定期首脳協議での合意を受けたもので、欧州委員会とEU加盟国と日本政府によって開催されるもの。そうじゃなきゃ、これだけこの規模の仕掛けが担保されることはないよなと思う次第。
海外事例紹介の段階が終わり、段階としては国内事例が必須となるわけで、その活動が本格化する中で、もう一度「創造都市」が概念と事例と抱き合わせで語られて行くことになるだろう。というわけで、その「創造都市」が、来年のキーワードになるんじゃないかな、来そうだなと思っている。
実は、TAPではすでに佐々木雅幸先生をパネリストのお一人としてお招きし、その概要の片鱗のレクチャーを受けて、「創造都市」という言葉があることは学んでいるTAPです。
年賀状の駅売り始まる
きむらとしろうじんじんの「野点」in 水戸の初日。
5年ぶりの来水を待ちこがれたいた人も居るほどのじんじん人気。写真右手は顔料のテーブル。ここで絵付け。中央部分が野点のお茶のコーナー。左側が焼き釜。絵付け・窯入れ・蒸らし・みがき・野点のフルコースを終えるには2時間半から3時間ほどかかる。
秋晴れの陽気の良い日ながらも、美味しいお茶を頂いた頃には暗くなり始め、冷え込んできます。今後、参加予定の方は1枚余分に厚着での来場をおすすめ。じっとしていると、かなり冷え込みます。それでも今回は僕も絵付けをし、お茶を頂き、3時間、すっかり満喫。ちょっと冷えてさむかったけどね。(サポートスタッフの面々は大変だろな。頑張ってくださいね。お疲れ様です。)
場を辞すときには、接近中の火星がキラキラ瞬いていました。
11月になった途端、年賀状の販売の出店が最寄り駅のコンコースに出展していた。わぁー。今週末の5日(土曜日)の横浜でのイベント&パーティーの案内をしておかないと!それから一般書籍として10年の軌跡をまとめた記念図書についても。
ついでに、来週12日(土曜日)は取手に!TAP2005がスタートします。是非、バスツアー「ざくざく取手」にご参加下さい。
さらにその次の19日の土曜日は、「日比野克彦の一人万博」で話題となった「朝顔」のロープの撤収。つまり、苗の撤収=種取り。もうかなり、種も無くなってきているけどね。
それ故、行くことは出来ないけど、「第14回なみおか映画際」=最終回の案内が青森から今日届く。同封の御案内によると、日活ロマンポルの巨匠、神代(くましろ)辰巳監督没後10周年(1995年2月24日死去)の企画が、成人映画の上映となるので、青森市(浪岡市は先の市町村合併で青森市になったばかり)が上映に対する補助金の交付及び会場の使用を許可することが出来ない、とする回答があった。それで一部プログラムを変更して、弘前市のスタジオ・デネガにて、『映画は / に欲情する』と題し、19日から23日まで開催するとある。内2日間(21-22)は「なみおかシネマテーク蔵出し日」で、かつてこの映画際で僕も見た、フレデリック・ワイズマンの「臨死」(358分)も21日に上映する構成のプログラム。
この中身のこゆいプレスリリースを読んだ後に立ち寄ったミュージアムショップの書棚で、「役者としては、宮下順子の上で腹上死し、『愛のコリーダ』で乞食役。70年代が猥雑さと活力に満ちてよみがえる。」の裏表紙の謳い文句につられて、1989年に73歳で亡くなった殿山泰司(とのやまたいじ)著「JAMJAM日記」を買う。ブログを書くようになって「日記」と背表紙にあると反応するのだけど、浪岡からの手紙(リリース)に後ろを押されて買った気がする。だって、ついさっき、『四畳半襖の裏張り』とか『赫い髪の女』他の上映作品のタイトル一覧で、宮下順子の名前を目にしたばかりなんだから。
日記と言えば、評判を聞いた、武田百合子(1925-1993、67歳)の「富士日記」をと思いながら、今だ手にしていない。
10年
「きむらとしろうじんじん」さんが到着した。(もち、こんな出で立ちじゃなかったけどね。)
9月末の青森から金沢、新潟と移動し、今日、きむらとしろうじんじんさんが水戸に着く。水戸市では2000年に開催してもっているから、5年ぶりの「野点」。今回は11月1日大町(営林署跡地)、3日南町(東水ビル裏)、5日北見町(小沢の滝)、7日大工町(山口楼駐車場)での4回。
「野点」の命とも言える焼立器飲茶美味窯付移動車(=やきたてき やむちゃ びみ かまつきいどうしゃ)を車から降ろしているじんじんさんと話していたら「10年になります。……」とのこと。1995年にはじめ、その3年後の98年に国立パリ美術学院で開かれた『どないやねん展』に参加。その直後に、「ドキュメント2000」のプロパーザル大会の場で初めて会い、浅草でのその日の打ち上げの場で、99年10月下旬に青森での開催を予定していた「トヨタ・アートマネジメント講座」にプログラムゲスト参加してくださいとお願いしたのが知り合った最初だった。なんとも月日の経つのは早い。2005-1995=10年。
数日前、久しぶりに連絡をくれたRogus' Gallery(ログズギャラリー)も10年経つ。彼らには、95年の「ジョンケージのローリーホーリーオーバーサーカス」の時に水戸で走ってもらった。93年にクリテリオム「森口ゆたか」の展示手伝いで来ていた二人(結成したてか、しようとしてたときかは記憶にないけど)を紹介されて、移転する前の「夢屋」さんで飲んでいる時に、彼らがしようとしていた「ガソリンミュージック&クルージング」の話を聞いた。その話を僕から聞いて95年に水戸でとっても素敵な演出で実施したのは、金沢21世紀美術館に行った黒沢伸(当時、教育普及担当者として仕切っていた)だった。今回のログズからの連絡は、企画中の来年2006年秋から1年かけて行うビック「ツアー」に関する相談のためだった。今度彼らが来たときは、移転した新しい「夢屋」で飲むとしよう。
ちなみに94-95年と言えば、僕は「絵画考」(95年4−5月)の準備に一生懸命だった頃だ。
速報・第15回「吉田秀和賞」受賞作品
水戸銀杏坂。久しぶりの青空に誘われ歩く。
昨夜の内から水戸に入っていた藤浩志が午前中、展覧会を見ながら芸術館を訪ねてくれる。彼のブログのを話題に、四万十塾のことや、この後入りする勝田でのプログラムのことを話しを聞きながらランチして別れる。電車に乗る前に立ち寄り見てくれた駅南の工事囲いの風景を速攻で携帯からアップしてくれている。
午後は、芸館で事務仕事。夜、自宅のメールを見たら、今日最終選考会のあった「第15回吉田秀和賞」決定の<ATM速報>がもう入っていた。
それによると、『音楽・演劇・美術などの各分野で、優れた芸術評論を発表した人に対して贈られる「吉田秀和賞」第15回受賞作品が132の候補作品の中から、カナダの独創的なピアニスト、グレン・グールドの世界を広い視野から重層的に考察した書、宮澤 淳一 『グレン・グールド論』(春秋社、2004年12月刊)と本日を最終とする厳正な審査を経て決定した。』とのこと。
本年度の審査委員会は審査委員長:吉田秀和( 評論家・水戸芸術館館長)、審査委員:加藤周一(評論家)、審査委員:林 光(作曲家)。
○宮澤 淳一(みやざわ・じゅんいち)
1963年群馬県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部(国際政治学科)卒業、早稲田大学第一文学部(ロシア文学)卒業、同大学院文学研究科修士課程修了、博士課程単位取得。専攻は、文学研究・音楽学・メディア論。現在、法政大学ほか講師。
著書に、『グレン・グールド大研究』(共著、春秋社)、『グレン・グールド書簡集』(みすず書房)、『グレン・グールド発言集』(みすず書房)、『カナダを知るための60章』(共著、明石書店)、訳書に、ゲルタン編『グレン・グールド複数の肖像』(共訳、立風書房)、ウィンジェル著『音楽の文章術』(共訳、春秋社)、 W.テレンス・ゴードン著『マクルーハン」』ちくま学芸文庫)などがある。
○これまでの受賞作品
第1回(1991年):秋山邦晴「エリック・サティ覚え書き」(青土社 1990年6月刊)
第2回(1992年):持田季未子絵画の思考」(岩波書店 1992年4月刊)
第3回(1993年): 該当作品なし
第4回(1994年):渡辺保「昭和の名人 豊竹山城少掾」新潮社 1993年9月刊)
第5回(1995年):松浦寿輝 「エッフェル塔試論」(筑摩書房1995年6月刊)
第6回(1996年):長木誠司「フェッルッチョ・ブゾーニ」(みすず書房 1995年11月刊)
第7回(1997年):伊東信宏バルトーク」(中央公論社 1997年7月刊)
第8回(1998年):該当作品なし
第9回(1999年):青柳いづみこ「翼のはえた指 評伝安川加壽子」(白水社 1999年 6月刊)
第10回(2000年):小林頼子「フェルメール論 〜神話解体の試み」(八坂書房 1998年 8月刊)、「フェルメールの世界 17世紀オランダ風俗画家の軌跡」(日本放送出版協会 1999年 10月刊)
第11回(2001年):加藤 幹郎「映画とは何」(みすず書房 2001年 3月刊)
第12回(2002年):該当作品なし
第13回(2003年):岡田温司「モランディとその時代」(人文書院 2003年8月刊)
第14回(2004年):湯沢英彦「クリスチャン・ボルタンスキー 死者のモニュメント」(水声社 2004年 7月刊)
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吉田秀和賞について(吉田秀和芸術振興基金により平成2年創設)
名称:吉田秀和賞
対象:音楽・演劇・美術などの各分野で、優れた芸術評論を発表した人に対して
正・副賞:正賞 表彰状、副賞 賞金 200万円
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吉田秀和芸術振興基金(事務局:水戸芸術館内)
理事会
理事長:吉田光男 財団法人水戸市芸術振興財団副理事長
理事:石川六郎 鹿島建設株式会社代表取締役名誉会長
理事:佐治信忠 サントリー株式会社代表取締役会長兼社長
理事:鈴木 繁 朝日新聞東京本社文化部長
理事:佐川千鶴 佐川文庫館長
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第15回吉田秀和賞 贈呈式(予定)
日時:平成17年11月19日(土)午後3時30分から
場所:水戸芸術館 会議場 2階
内容:表彰状授与、受賞者挨拶ほか
まちなか
「泉ビル」壁面の作品。
「3rd Place Coffee」開店準備をしているときがちょうど描きたいタイミングだったお店。
以前は長らくお寿司屋さんだった。
3連休の中日だけど休日当番で在館。スッキリと片付いた机で快適にお仕事。薄皮を剥ぐようにこなす。12月の予定が視野に入ってきて、気が早そうに聞こえるけど師走の音が聞こえてきてヤバな気分。しっかりやろっと。見落としていた田中功起の作品をDVDでチェックして納得。
増補版が出たので改めて買った「ゲルハルト・リヒター 写真論/絵画論」のノートの章を開くとジグマー・ポルケと並んで写っている写真(1966年、デュッセルドルフ)が目にとまる。
1932年に旧東ドイツ、ドレスデンに生まれたリヒター(金沢と川村)と、1941年に旧東ドイツ領エルスに生まれたポルケ(上野と大阪)の個展が同時期に開催されている。ちょっとすばらしい。ちなみに今年は「日本におけるドイツ」年なんだそうな。
それにしても展覧会に足を運ぶスケジュールが決まらない。10月22日から11月6日までの第39回モーターショーにも行きたいしなー。
旧営林署
セントラルビルの真向かいに位置する旧営林署の壁はこんな感じになってます。
今日も終日、芸術館でのデスクワーク。
ミュージアムショップにも来年の手帳が並ぶようになった。年内の大まかな日程を組み始めないととあせる。金沢21世紀美術館にしか展示されない大作1点のこともありリヒター展に行きたかったが、川村記念美術館への巡回を待つようかなどと、開催地限定の展覧会を優先に、気になる展覧会の巡回先を視野に動きを考える。金沢を諦めるとしても、大阪と福岡、そして青森には出かけたい。横浜エリアで開催中の展覧会や試みをきっちり見に行く日程も組まないと。あ、まだ森美術館の杉本博司展も行けていない。これに来年度事業の企画展のための作家アトリエ訪問予定が幾つか加わる。
明日8日から、9、15、16と4日間に渡り水戸芸術館開館15周年記念連続講演会が友の会主催事業として開催されます。僕も登壇する美術部門(現代美術センター)のトークは16日。各日とも14時から16時、会場はACM劇場、無料です。
セントラルビル
懐かしのセントラルビルの壁面にもグラディティ。
その2階のギャラリーでの「Making the X-COLOR」展会場(会期は本展と同じ12月4日まで)。作品((ドキュメント写真)は密着取材した写真家グレート・ザ・歌舞伎町のもの。
展示作品の1点。こんな光景があるもの展覧会企画だからこそ。
今日の写真は、ランチの帰り道に、セントラルビルでの展示を見た折に携帯で撮影。
机周りの整理整頓を昨日に続いて敢行。書類ファイルを箱3つに詰め込み、空いた場所に移動させる。かなりスッキリ。いろんなことがクリアになってくる。
あと、素敵なニュースがあったことを書き忘れていた。artscapを主宰するDNPが、メセナ活動として賞をもらった発表がこの4日あった。11月に10周年記念パーティーを横浜で開催する準備をしてい最中の朗報。
南町3丁目
こんな感じで水戸市内で展開している。一雨ごとに秋の深まりを感じる。
事務所に着くと昨日頼んでおいた名刺フォルダーが届いていた。10月になり来年度事業計画に関する会議、調整が本格化する。そこで個人的棚卸し。ファイルやDM、書籍、そして名刺の山を整理する。名刺フォルダーはあっと言う間に一杯。名刺を手にしながら日比野展関連でお目にかかりお世話になった方々を思い出す。なんだかとっても前のことにように思えてくる。報告書の作成がこれからだというのに。ま、そのための資料や書類、名刺類の整理をしているわけだけど。
少しは進んだように思うけど、整理された箇所ができると、もう一つの山が気になりはじめる。
明日も時間をとって、この際だから、もう少し本格的に整理をし、次の企画展の資料を置ける場所と用意しようと思う。現にぼちぼち要請した資料が届きはじめてもいる。
勝田でのプロジェクト準備のために藤さんが入っていることをブログで知り、挨拶の電話をいれるも不通。夕方のワークショップの説明会の前にコールバックがあり話す。
館内撮影解禁となる!
展覧会会場での撮影が解禁となる。この写真(展示第1室奧)も携帯で撮影したもの。(一部コレクションを展示している分部は禁止ですけどね)
来館者が情報発信者となって千客万来・話題沸騰となるといいな。
終わったばかりの「日比克彦の一人万博」では実現できず、9月25日に訪れた豊田市美術館で、10月2日まで(あ、今日までだ)開催された「ヤノベケンジ」展では、一足先に撮影解禁。来館者が思い思いに撮影する姿に感動してきた矢先。
《ジャイアント・トらやん》2005年。9月25日携帯電話で撮影。
この日は、「トらやん」火を噴くパフォーマンスからサイン会、コンサートもありと天こ盛り。アリアリで熱気ムンムン。そのノリノリぶりに感銘。美術館の空間に活気があるのはやっぱりいい。
「トらやん」の真っ赤な火炎とは関係ないけど、今日は本当に久しぶりの完全OFF日でゆっくりしていたので、思わずまっかな夕日まで撮影しました。おまけです。
X-COLOR/グラフィティ in Japan
「日比野克彦の一人万博」から2週間。ギャラリーは完全に様変わりし本日堂々の『X-COLOR/グラフィティ in Japan』展オープン。オープニング・イベントとして
ブレイクダンスパフォーマンスも。
会期中はスケートボードも出来てしまう。これは砂場以上の興奮。以下は本日のスケートボードデモンストレーションの映像。
明日初日
あすから秋の展覧会がはじまります。
展示作業始まる
エントランスのバナーも3点となり正式に展示された。ギャラリーでは開梱作業が始まっている。
○クリテリオム63
作家が水戸入りし、初日の作業を終える。ほぼ雰囲気を予感できるレベルの仮置きをして食事にでる。明日が山場。
海洋堂準備始まる
○今日の1点
エントランスに海洋堂展のバナーが設置された。アーキグラム展の搬出も終わり、ギャラリーは海洋堂展に向けて展示準備が始まっている。
終わり、始まる。
○今日の1点
「アーキグラム」展は今日で終了。ポスターも完売。4月6日からは「海洋堂の軌跡」(~6月5日)が始まる。明日からの2週間、ドアの内側は展示替え作業で大騒ぎなこととなる。
アーキグラムBOOK完成・納品
○今日の1点
最後まで大変だった力作アーキグラムの記録集が完成し納品された。
○アーキグラム書籍納品祝いに飲みに行く!
書籍「アーキグラム」まじ佳境
過日、陣中見舞いに行った「アーキグラム」の編集・デザイン作業がまさに佳境にある。そんなさなか、最終の文字確認をしていたら、大切なクレジット関連での漏れが見つかった。急ぎ編集サイドやデザイナーサイドに対応をお願いする。
あぶないあぶない。なにごとも、もう少しと言うときに、何故か不思議と伏兵が登場し、一波乱あっての大団円となる。今回もその轍を踏んでしまったようだが、回避できて何より。
といっても、大詰めの土壇場に出来ることがそれほどあるわけじゃない。納品日が確定していて、1日たりとも後ろにずらすことができないのであれば、自ずと印刷工程が要する最低の時間をその日から逆に足しあげていけば、いつまでに何をしないとならないかの特定ができる。あとは、その時間までに、求められる要件を満たすための方策、つまり、できることが何かを考えればいい。それでもすぐに3案ほどでるのだか、ドラスティックなものではなく一番中庸な落としどころが傷口をひろげることなく、最適な道となる。
一番してはならないことは、仕事を増やすような方向性の選択肢を選んだり、考えたり、それに引っ張られてしまうことだ。この時思いついてしまったプランは、次回のためにとっておけばいい。僕の判断基準はこんな感じだ。
そのために一番最初にすることは聞くこと。何がどうなっていて、何ならできることとして考えることができるのか。そしてどれを選ぶことが一番混乱がないか。そして一番心がけなければならないことは、「迅速」であること。方向性の結論を拙速的なまでに出し、実務ができるようにすること。そして、その先の日程も確認し、人と場所と時間を抑え手配をすること。
できることは限られているし、頑張ることを許される時間も限られている。展示作業の終盤もこれと同じ。ま、そんな現場が好きなんだと我ながら思う。ヒリヒリするカオスは、静寂と共にあり、粛々とことを進めていく現場だ。口をきいている閑もない。エネルギーを無駄にすることなく、進んでいく。これはかなり気持ち良い。
書籍のための山場の確認もとれ、今のまま進めば納期死守はできるだろう。2月は2日ほど他の月くらべて短い。例年この時期に印刷物を手掛けていて、29/30/(31)とあったらと何度思ったことだろう。
学生のレポートの採点をした直後の書き込み故か、今日はなんだか理屈を書いた。問題が生じたらエネルギーを問題解決の一点に集中させて無事終わらせる。問題とそのように接すれば、問題の方から小さくなってくれて、大きく育ち手に負えなくなることは滅多にない(と思っている)。楽しんでするのが一番。甘いかな。
前日の整理
東京より雪の多かった水戸に戻る。芸術館の庭もしっかり厚みのある白い雪で覆われている(青森の人に悪い−くどいね−けど、これでも積もったんだ)。
昨日お目にかかった方にお礼のメールを入れたり、新しい課題の確認をしたり、手帳を前に後ろにめくりながら、日程をイメージする。うん、大変だな。
年度が変わる4月1日から実務がはじめるとノンストップ・休みなしの勢いだ。
冷静に確認をいれていくと、まだまだ調整と決定と実施段取り、さらにそのための書類作り。しなくてはないら膨大な仕事量が見えてくる。
高校生WEEK はじまる!
目で見る高校生WEEK会場の雰囲気。今日が初日。
ワークショップ・ルームが今年も居心地の良いカフェに変わった。でもお茶はセルフだよ。
『自由喫茶』
セルフサービスの喫茶室。作品鑑賞の途中休憩などにご利用ください。
期間:2月22日(火)→ 3月21日(月・祝) 時間:15:00→18:00
休館日:月曜日 *ただし、3月21日(月)は開場
入場料:無料(一般のお客様は展覧会入場料に含まれます。)
・お茶飲みイベント(申込不要・自由参加)
美術館に関わるさまざまなゲストの声を聞く会を随時開催していきます。
Vol1 3月19日(土)16:00〜17:30 ゲスト:甲高美徳(フリーペーパーMap・i Navi編集長)
『自由工作』(申込不要)
PLUG-IN-CITY 街をつくる工作(おきがるコース)つくりたい街のプランを考えたり、ジオラマを作ったり時間にあわせてどなたでも気軽にご参加いただけるコーナーです。
期間:2月22日(火)→ 3月21日(月・祝) 時間:15:00〜17:30
・PLUG-IN-CITY 街をつくる工作(じっくりコース、定員制・要申込)
それぞれのアイディアを盛り込んで、交換・移動が可能な街をつくります。アーキグラムの考え方を知り、身近な街の機能や構造自由にとらえ直し、そのイメージを 100分の1スケールでジオラマ化します。
期間: 3月 5日(土)、6日(日)、12日(土)、13日(日) 時間:15:30→17:30
定員:10名 対象:高校生以上、上記日程全4回に参加可能な方
お申し込み締切日: 3月 1日(火)までお申し込みください。水戸芸術館現代美術センター「高校生ウィーク」係 Tel. 029-227-8120
・sawing「日々の針仕事」(申込不要)
用意してある材料を使って自分だけの作品を制作できます。期間中の毎週水曜日と3月19日(土)は、アーティストの千田美弥子さんとともに「布のこもの」が制作できます。
期間:2月22日(火)→ 3月21日(月・祝) 時間:15:00〜17:30
高校生WEEK
またもや「高校生WEEK」の時がやって来た!今年は2月22日から3月21日。
今年のテーマは『自由喫茶・自由工作』
詳細に入る前に、「高校生WEEK」とはそもそも何か?
ズバリ、高校生と同年代の方を対象にした現代美術ギャラリーへの無料招待月間。
中学生までは通年で無料なのはご存じですよね!!
高校生からは通常料金が展覧会鑑賞のために必要。1回800円。
でも、大丈夫。「HTP」=ハイティーンパスは、対象15才から20才未満のかたが購入できる通年パスでなんと1000円。これで何度でも展覧会を見ることができるのです。元々はこの「HTP」販売促進キャパーんがことの始まり。つなみに「HTP]を卒業した人のためには「おとなパス」2500円が用意されている。何処までも顧客重視の水戸芸術館現代美術センターなのです。
で、この「高校生WEEK」期間に、特別プログラムが組まれて実施されるのです。昨年は日豪交流国際展「リビング トゥゲザー イズ イージー」展開催中だったので、「ゆうかりカフェ」で『なにもしない』がテーマだったんだ。これもとても講評。
2004年のゆうかりカフェの会場風景
では、現代美術センター教育普及プログラム高校生ウィーク2005『自由喫茶・自由工作』のプログラム等の詳細の説明にはいろう。
2005年のテーマは現代美術ギャラリーで開催中の「アーキグラムの実験建築1961-1974」より引用した "Play and know yourself." 。さまざまな価値観にふれ、自分自身をつくり、出会う場としての美術館の活用を提案!
1. 展覧会の入場無料
学生証・保険証等年齢が証明できるものをお持ちください。なお、高校生であれば年齢は問いません。
2. 交流スペースの開設
水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップルーム
『自由喫茶』セルフサービスの喫茶室です。作品鑑賞の途中休憩などにご利用ください。
期間:2月22日(火)→ 3月21日(月・祝) 時間:15:00→18:00
休館日:月曜日 *ただし、3月21日(月)は開場
入場料:無料(一般のお客様は展覧会入場料に含まれます。)
・お茶飲みイベント(申込不要・自由参加)
美術館に関わるさまざまなゲストの声を聞く会を随時開催していきます。
第1回 3月19日(土)16:00〜17:30 ゲスト:甲高美徳(フリーペーパーMap・i Navi編集長)
『自由工作』(申込不要)・PLUG-IN-CITY 街をつくる工作(おきがるコース)
つくりたい街のプランを考えたり、ジオラマを作ったり時間にあわせてどなたでも気軽にご参加いただけるコーナーです。
期間:2月22日(火)→ 3月21日(月・祝) 時間:15:00〜17:30
・PLUG-IN-CITY 街をつくる工作(じっくりコース、定員制・要申込)
それぞれのアイディアを盛り込んで、交換・移動が可能な街をつくります。アーキグラムの考え方を知り、身近な街の機能や構造を自由にとらえ直し、そのイメージを 100分の1スケールでジオラマ化します。
期間: 3月 5日(土)、6日(日)、12日(土)、13日(日) 時間:15:30〜17:30 定員:10名
対象:高校生以上、上記日程全4回に参加可能な方お申し込み締切日: 3月 1日(火)
お申し込み:水戸芸術館現代美術センター「高校生ウィーク」係Tel. 029-227-8120
sawing「日々の針仕事」(申込不要)
用意してある材料を使って自分だけの作品を制作できます。期間中の毎週水曜日と3月19日(土)は、アーティストの千田美弥子さんとともに「布のこもの」が制作できます。
期間:2月22日(火)〜3月21日(月・祝) 時間:15:00〜17:30
その他のプログラム
・Books「推薦図書館」
アート関連書籍、カタログ、雑誌、写真集などを喫茶室で気軽に読んでいただけます。
・Music
昨年好評だった高校生ウィークオリジナルBGM2005バージョンの ON AIR。
ボランティア活動
作られた企画にお客様として参加するだけでは物足りない、もっと美術館と関わりたいと考える高校生や一般の参加者と共に高校生ウィーク会場制作・運営を行っています。
・「小さな居場所ー椅子のワークショップ」(開催済)
使われなくなった古いイスをリメイクするワークショップ。造形家の前川秀樹氏を招き、2004年12月にアトリエ訪問と制作を行いました。古い木材を活用しイスの天板部分を作る木の風合いを生かした前川氏独特のリメイク法で参加者がそれぞれに完成させたイスは、高校生ウィーク期間中に実際に使用します。
・広報プロジェクト
高校生ウィーク2005のチラシ制作や広報などを、高校生ウィークから巣立った大学生や現役高校生の手によって展開します。
・カフェの運営
カフェの運営を支えるのは、過去の高校生ウィークの参加者をはじめとするボランティアスタッフです。
お問い合わせ
水戸芸術館現代美術センター「高校生ウィーク」係
Tel. 029-227-8120
310-0063 水戸市五軒町 1-6-8
ピータバラカン氏水戸に来る
自分は体調を崩し熱を出してしまったので残念ながらライブで聴講することはできなかったけど、アーキグラム展の関連企画として「ピーター・バラカンが聴いたロンドン」がワークショップの会場で実施された。経緯はわからないけど、2部もあったらしい。う〜残念。でも盛況で何より!
僕同様、会場で聞くことができなかった人は下にアクセス。
London as Heard by Peter Barakan1&2
**********************
ピーター・クック、デニス・クロンプトン、デヴィッド・グリーン、マイケル・ウェブの 4人分のサイン入りポスターを、好評発売中。ミュージアムショップ「コントルポアン」にて3,500円(消費税込、限定販売)。29日18時現在、残数16枚。その意味では超レアもの。何と言っても本人達が喜んでサインをしあって、自分たちのお土産にもしたポスター!*写真はサインのない素のポスターです。
ミュージアムショップ「コントルポアン」
開店時間:平常10:00〜18:30
(閉店時刻は催事等により変更することがあります。)
休店日: 芸術館休館日
Tel: 029-227-0492
mailto:contrepoint@arttowermito.or.jp
海洋堂と一人万博
アーキグラム展がオープンした1月22日。デザイナーの松本弦人さんからチラシのラフが届く。彼には4月からの「造形集団、海洋堂の軌跡」展の広報物デザインをお願いしている。「うーん、そう来たか!」と感心する切り口。プランは良いし、突いたツボも間違いない予感はする。しかし、実現するためには詰めていかなければならない課題が沢山。そこで彼の事務所で打ち合わせをすることにした。
海洋堂からお借りしている実物の「食玩」を前に、切り口についてああだこうだ。それを落とし込むメディアをどうするこうすると意見の交換。印刷+加工の問題もあるため、株式会社竹尾の担当者の方にも同席してもらう。
竹尾のウェイビーウェイビー紙。右:トラの顔が立体になっている。これがこの紙の特徴。
紙の印刷適正やその他もろもろお聞きしながら打ち合わせを終えて、今度は日比野克彦さんの事務所に移動。
前回の打ち合わせを経て、会場プランもかなり改変と拡充が為されていて、日比野さんの熱の入れようがわかり、嬉しくなる。いくつかの大事なことも確定し、弾みがつく。もうしばらくすればオーバードライブ状態になるはず。だけど、その手前の今が一番難しい時とも言える。
次回打ち合わせは、水戸の会場で現場をみながらすることに。
展示に関する打ち合わせを終えて、日比野さんと一緒に東急文化村に移動。野田地図第10回公演「走れメルス──少女の唇からはダイナマイト!」を観劇。野田20才の時の本に22才で書き直したもの。今年50才の彼はそれを再演する。衣装はひびのこずえ。
アーキグラム・オペラ
展示空間の最後の部屋が「アーキグラム・オペラ」。マルチスクリーンを使い、1961年に第1号が刊行された『アーキグラム』誌の各号を、同時代の映像──JF・ケネディー米大統領のスピーチ、アポロ宇宙計画──と、さらに複数のビデオ作品とを同時に上映するアーキグラム・オペラ。音と映像で見るアーキグラムは60年代の空気を身体的に体感させてくれる。
しばし浸っていたい気分になっても大丈夫なようにお時間に余裕を持てお出かけ下さい。
この映像から何号のアーキグラム誌の紹介のシーンか瞬時に判別できた方ならとても楽しめるハズ。「う〜。あれー」と思った方は、是非、会場に! *でも写真中に答えあります。
《アクアポリス・バルセロナ》1989年/6分の一シーン。
ミュージアム・ショップに並ぶ先行発売中のアーキグラムのDVD。
アーキグラム・ロゴの肉厚のマウスパットが初回限定版につく。《アクアポリス・バルセロナ》1989年/6分、《アイ・リメンバー・アーキテクチャー》1974年/18分、《ポピュラーパクとロボット》1968年/8分が収録されている。邦訳付き。
カウンターカルチャーと建築
アーキグラム展二日目の「レクチャー&シンポジウム」
一部がアーキグラムの4人のよる基調講演、つまりレクチャー。
二部が、彼らの活動をいち早く日本で紹介し、友人でもある磯崎新(芸術館美術部門顧問でもある)が加わり、評論家五十嵐太郎氏がモデレーター役で入ったシンポジウム。
下の写真は二部のために着席した所の彼ら。
左から:五十嵐太郎、デニス・クロンプトン、ピータークック、磯崎新、マイケル・ウェブ、デヴィッド・グリーン。
そしてこの様子は"株式会社創夢の協力により水戸芸術館のホームページ内"Live Index"20050123-1,20050123-2 Counter culture and Architectureでごらん頂けます。
アーキグラムのギャラリーガイド
会場ごとにリレーして話されていくアーキグラムによるギャラリーガイド。
お陰様で大盛況。
ブラックライトによる展示のされた第1室で話すマイケル・ウェブ。
右端の頭一つ高いのが、メンバー一長身なマイケル。
スタジオの中で話す、デニス・クロンプトン。
展示の責任者でもある。アーキグラムが実際に事務所をもっていたときの話など。
作品の前で話すディビット・グリーン。
写真中央でマイクを持つのがディビット。携帯電話を片手にマークルーハンの引用から解説は始まる。
ピーター・クック大いに語る。
赤いシャツが似合う。ネクタイが写ってないけど、60年代の黄色地のスネーク・タイ。茶目っ気たっぷりなお洒落さんだ。
その横に立つのが通訳の横田さん。ジョンケージ展オープンイングで館長の切れ目のない20分ほどの朗々としたスピーチを一気に通訳し吉田秀和館長の目に適った実力者。
トークの様子は水戸芸術館のホームページ内"Live Index"のムービーで!
雰囲気はバッチリわかる。20050122-1、20050122-2 Gallery Guide by Archgram Members
アーキグラムの4人がそろう
この日、アーキグラムのメンバーは7時間30分に渡る終日インタビュー。しかもその後に展示作業。スタッフは明け方まで。書籍のための撮影も始まる。
オープンまであと3日
広場に面した場所のビルボードにアーキグラムのロゴとアーキグラムマンが登場!
会場の準備はできつつもまだまだ。終盤にかかればかかるほど時間を要し、歩みが鈍るもの。最後の微調整や清掃まで考えるとギリギリ。
昨夜出力をお願いした日本オセの東出氏から連絡。夕方に便に乗せ、明日午前中には届くとのこと。ありがたいことです。
会場を歩いているとなんと1月16日ブログで紹介したクンストハウス・グラーツの映像が流れている。BIXへの応募を考えている人は必見のビデオだぞ〜。
順調に進む展示作業...
アーキグラム展の展示は順調に進み、いったい何を見ることができるのか関係者じゃなくても判明するまで会場が仕上がってきた。カラフルな壁に作品が掛かり、ぐっと気分もがでてきた。
左のモノクロ版拡大コピーは今回ご協力頂いた「日本オセ株式会社」様のご厚意によるもの。
順調と言いつつも展示現場にはちょっとしたトラブル・ハプニングは付きもの。案の定、展覧会会場完成間際のアーキグラムの現場に、対処しないとならない「あれ?」といった問題が...。
ブラックライトで蛍光するはずの展示物が何故か光らない。それがわかったのが18日20時の時点。翌19日の今日、担当の高橋学芸員が19日朝から急遽手配の算段。巨大プリント7枚分の日本での出力し直しに救いの手を差しのべてくださったのが、先の「日本オセ株式会社」さま。追加出力対応の協力をして下さるとのこと。
7ピース分のデータを急いで(とってもたっぷり時間がかかったけど)準備し、東京の日本オセの本社に持ち込むことに。訳あってその大役を仰せつかったのが私(展覧会のための緊急非常事態対応故とはいえ、突然休講にしてしまった学生君たちごめんなさい。振替日は後日連絡します)。
大きなデータの切り分け他準備できるのをじりじりしながら待ち、CD5枚を受け取り、駅まで送ってもらい電車に飛び乗り、東京・愛宕地区(住所は西新橋)に向かう。今回の窓口になってくださっている東出晃氏と西山鋭氏が待ちかまえていてくださった。東出氏は出なくてはならないところをムリに都合つけて居ていただいて、データを確認したところで退席。その後は、同席していた西山氏にオセの商品特性について簡単明瞭、懇切丁寧な概要説明をしていただいた。A0サイズが1分間に10枚出せるだけでも凄いけど、システム全体がコンパクトな印刷工場みたいなもの。正しくは「最先端の大判デジタル複合システム」と言うんだそうだ。マシーンの実力を目の当たり者として感想は「感動的なまでに凄い!」。
TDS860の入出力複合システムの全景。スキャナー、プリンター、折り機。
なんともきれいな出力。黒の幅の広さがすごい。
*********
附記。1月19日の朝日新聞紙面マリオンコーナーの特集記事「人気の『ブログ』はいかが」で学芸員の仕事をチェックとこの『MORI channel』が紹介された。肩の力ぬきつつ頑張らないと。エイ!
塗り上がり
きれいに塗りあがる。
展示も順々に進んでいる(でもまだお見せできないのがとても残念)。
進む内装工事
上:10時頃/左下:18時頃/右下:20時頃
昨日から始まった内装工事で造作している壁の高さは、通常の倍。
当然、仮設壁の施工時間も、やはりバイ。
高さが5.4メートルあると、大工さんたちの登り降りもバイの時間がかかるからだ。
至ってシンプルな計算。コストとも一緒。
遅いワケじゃないけども、いつもより時間がかかって押し気味。
*****
ミュージアム・ショップには建築関係の書籍が並びはじめる。
思わず数冊まとめて買い込む。
一番はじめに読み始めたのは雑誌。CASAの住宅案内特集号。
建てられたら良いなと思いながら、どこかで自分とは縁遠い話と思いながら見る(毎度のことだけど)。
でも、知った顔の人が出ていて楽しい。
*****
新聞切り抜き記事のコピーが廻ってきて、青木淳「原っぱと遊園地」の書評を2つ読む。
15日夕方のジュンク堂での青木淳さんのトークのことを思いだし訪ねるべし!
と決心。ならばと、今年開催のベニス・ビエンナーレ日本館コミッショナーを務める笠原さんが企画した「MOTアニュアル2005 life actually 愛と孤独、そして笑い」を見つつ、シューゴアーツの辰野登恵子展を見たりしようと、所要時間を計りながら15日のルートを組み上げる。
晴れてくれるといいな。
夜は、クリテリオム61でお世話になった嵯峨篤さんと「クリテリオムお疲れ様会&アーキグラム展壁塗り監修お世話になります会」。
アーキグラムの会場は、部屋ごとに壁は赤・黄・緑・紫・オレンジと塗り分けられる。
そのための「壁塗り隊」ボランティアは延べ30名。
嵯峨さんに彼らの技術指導をお願いしている。
「アーキグラム展」用内装工事始まる
水戸芸術館現のギャラリー上空の空。
内装工事の様子を写真に納めに行こうと学芸員室から庭を横切って向かう時に、あまりにも雲がきれいだったので幾枚か撮影した。そのうちの3枚。
すでに「まほちゃんち」の撤収が完了し、次のアーキグラム展のための内装工事が始まっているギャラリー1室の様子。今週いっぱい内装工事が続く。
作品撤収
クリテリオム61の展示が昨日で終わる。
今日は朝から作品を撤収し原状復帰をする日。
壁からタブロー作品《MUMI》6点を外し梱包し、壁のビスを抜きパテを入れ、床のエッジのホワイト・ラインを剥ぎ取り、壁を白く2回ローラーで塗る。
瞬く間に普通の見知った白い空間になっていく。
ある世界を表出させるために注がれる時間とエネルギーに比べて、それを消し去る時の容易さというかエネルギーのいらなさを、いつものように経験する。
そして創造が膨大なエネルギーの賜物であることを、このときばかりは、つくづく思い知る。
すでに消し去ってしまった嵯峨さんの作品のあった空間を前に、
ここに出現していた世界・作品を記憶に留めていてくれる人が多いくることを願う。
このように書きながらも言、常にそんな感傷に浸っているわけでもなく、
自分自身はかなりドライなものだ。
でも、なにかを創出する際に「エネルギー(情熱・時間・お金)」が必要なことは身をもって知っているし、それらを束ねるために現場経験とスキルと言葉(概念)が必要なことも知っている。表現者が作品をつくるのが簡単でないように、展覧会やプロジェクトをつくるのも端で見るよりも簡単じゃない。もっともそれが面白くてやっているのだから誰にも文句は無いんだけどね。
***
昨日までいた雪に覆われた青森はまさに「別世界」だった。夏場だと青森市内から車で20分程度だが、雪の冬には倍の時間をみるとのこと。最後の夕食をみんなで済ませて、余裕をもって店を出て、空港に送ってもらう。多くの人にお世話になった青森を後にして、遅れたものの無事に飛んだ最終便に乗って帰ってきた。
便の都合でもう1泊した藤さんが夜の内に仕事をしたみたいで、藤さんのブログに青森の3日間のレポートが早速ある。藤さんも楽しかったようでよかった。ボクと反対側に座っていた藤さんが、ボクの写真の逆から写したものをアップして、聞き入る日沼さんの顔が見える。同じようなタイミングで前後して撮影した感じ。
ぼくも建築現場で同じような写真を写している。それがこれ。
煉瓦の外壁は最終的には白く塗られる。部分的に白い箇所がそのテストを示す。煉瓦壁面と煉瓦天井面とがせめぎ合うエッジの処理のプランを聞きながら、秋元氏は感嘆の声を上げていた。ま、それだけ細部の始末へのこだわりの仕上げが予定されている。目にできる日も近い。進捗状況は現場を担当する、青森県立美術館設計監理担当・西澤氏が更新を続ける“from aomori with love”に詳しい。竣工は2005年9月。
海洋堂
「アーキグラム」展の直前準備がたけなわな脇で、その次の企画展「造形集団 海洋堂の軌跡」(会期4月6日から6月6日)の仕込みが佳境に入りつっある。
企画担当する浅井学芸員は、そのプレ展を開催している福岡の会場に打ち合わせに出かけている。
僕は広報印刷物の製作進行を担当していて、デザイナーの松本弦人氏とその準備に入っている。そんなワケで横浜そごうで10日まで開催中の創立40周年記念海洋堂大博覧会の会場に出かけた。生業を決めるにあたり神頼みした際の「木刀」が展示されていた。
デザイナーからポスターに使いたいフィギュアのリストが出ているから、その実物を探しながらつぶさに見ていると、なかなか先には進まない。この会場には1500点あるらしい。水戸ではその倍近い点数が展示される予定と聞く。展示するのも見るのも大変だな。
展示ケースを覗きこむのに疲れて、ふっと目を放して引いてみて気が付いた。
ケースが段ボールでくるまれていた。が〜ん。A段ボール3層のしっかりしたものだ。会場後半に展示される1999年9月に発売された革命的商品「食玩」は、段ボールの箱展示ケースや机は総段ボール製。展示品の食玩はチョー軽いからそれで問題ないわけだけど驚いた。レンゴーの協力を得て大量の段ボールを使い会場を構成し、作品を展示する自分が企画担当する「日比野克彦・一人万博」を思い出した。ふー。
ではまた明日。明日は青森から。o(^-^)o
ぜひ見て欲しい・1月10日まで
クリテリオム61 嵯峨篤 作品 [MUMI+cube on white]
壁が写っているだけの写真に、「あれ? 作品が写ってないや!」などと早合点しないで、ここは一つじっくり写真を見て欲しい。師走も終わったばかりなのだから。この壁は紛れもなく作品でタイトルは《cube on white》
白い壁が奧の壁と交わるあたりに目をやると、床や天井のラインが壁に映りこんでいるのが見える(ハズ)。このことに気づいてから「あれ?」と思ってもらえたら最高なのですが。
どうでしょう。
なんの疑問や不思議も感じずに、「うん、映ってるね。(だから?)」などと冷め切った姿勢は無し。ご勘弁を。嵯峨篤渾身の1点なのだから。
映りこみは、クリテリオムの会場のこの壁が鏡面になっていることを意味する。
ホワイトキューブの壁そのものを研ぎあげて鏡面に仕上げたのだ。
この行為こそが、嵯峨篤、渾身のワークなのだ。膨大な時間と集中力とエネルギーを費やして誕生させた、半透明な実在する壁。
この壁は元々の駆体壁なのだから、建築的なリノベーションと呼べなくもない。
嵯峨は絵画画面の探求・追求から「表層」に辿り着く。表層への働きかけだけで空間(部屋)の質や印象はがらりと変わった。空間からみればインスタレーションとも言えるだろう。
だからこそ、この週末の3連休の間にぜひ、体験してもらいたいとおもう。
会期がおわると、この白い壁はまた普通に白く塗装されて、どこにでもあるありふれたホワイトキューブへと戻される。
この壁のことしか書き込まなかったけど、ほかの壁3面には、白の正方形の作品《MUMI》が6点展示されている。これはこれで充分見応えがあるものだ。
未だ見ず人はぜひ、この連休中に!本当に是非。
見逃したら当分目にすることはできないのだからね。
もちろん場所は水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室。
鑑賞には同時開催中のメイン展「まほちゃんち」の入場チケットが必要となります。
作品データ
[MUMI+cube on white]
素材:EP塗装(白)、EPパテ(薄付け用)
サイズ:MUMI 88×88×2.7cm、cube on white 830×455×300cm
JCの全国大会
2004年度社団法人日本青年会議所第53回全国会員大会水戸大会のウェルカムレセプションが水戸芸術館の広場で開催されていた。
http://www.2004mito.com/
3つのリノベーション物件もこの大会の記念事業として実施できたもの。天気に恵まれて、お庭でできてなにより。
8月15日 ともともの公演会
午前:関西から来ているインターン・ボランティアの川角さんに2時間の講義。実習生も同席。
午後:来年度事業の企画書の改訂版を書き上げる。3時から「山口とも廃品打楽器パフォーマンス」を堪能する。熱のこもった良いステージであった。
www.terra.dti.ne.jp/~tomoyama/main.html
2週間に渡った学芸委員実習は今日が最終日。そこで、彼らと逢坂監督とで夕食会を開く。
8月14日 「ともとものおとのもと」
山口ともさんのワークショップ風景。中央が山口ともさん。後方左がアシスタントさん。
山口ともさんによるワークショップ「ともとものおとのもと」の開催。子供達がそれぞれ好きな廃材を使って楽器を作る。
こどもたちの作った楽器からでる音色を聞いていたら、青木淳建築設計事務所の青森勤務(つまり、青森県の美術館担当)の宝神さんが突然、目の前に現れた。
これ幸いと宝神さんに水戸リノベーションの見た感想を聞く。そして僕の理解を話してコメントをもらうも、満更でもない良い了解をしているようだ。
そうこうしていら、2時過ぎに到着と連絡をくれていた日比野克彦・こずえさんらが、「駅から視ながら来たよ!」と4時頃に登場。カフェで打ち合わせの話をしていたら実習生らが脇を通ったので紹介する。
その後、水戸駅近くの地中海料理やさんでワインを飲みながらアラカルトを3人で食す。
短時間ではあったが、いろいろ決まっていなかったことも決まり、実り多い宴席(?)となった。東京行き最終特急の時刻にあわせてお開き。
葉っぱの作品に興じる日比野さんたち
13日山口ともさん登場
14日に楽器制作、15日コンサートをお願いしている山口ともさんが水戸入りした。トレードマークのくるくるもみあげのままだ。夜の食事会に同席する。
完成した灯籠階段を見上げる日比野克彦
完成した灯籠階段を見上げる日比野克彦。
奧が作品。《BEYOND THE PURPLE》 高さ15m、30段の和紙の階段
場所:リバーウォーク北九州 設置期間: 2004年4月17日〜5月9日
これに使われた12×3mの和紙は日比野が漉いた岐阜の美濃和紙。
手前がワークショップ参加者のミニ階段。
僕に誘われ大阪・神戸での自らのWSを終えた足で合流し、一般参加者とすて竹籤と和紙で階段をつくる作家・藤浩志。
小倉で開催していた日比野克彦ワークショップ会場を訪ねる。これは「ワークショップ『北九州紫川河川(キタキュウシュウムラサキガワカセン)』の最終回として4月14日〜18日、ワークショップ「BEYOND THE PURPLE」が行われた。日比野のオブジェ作品の他に、段ボール製の積み木状のブロックが登場したり、日比野の階段オブジェをモチーフにした参加者が1段ずつ作った階段も登場した。」http://www.hibino.cc/ からの引用(なんだって御本人が主宰するサイトの説明なら間違いの心配がなくていいよね)。
CAFE HIBINO NETWORK
http://www.hibino.cc/
ディノス・チャプマン
程度にお酒も躰に入りご機嫌な二人。チャップマンと企画した窪田学芸員。馴染みの立ち飲みBAR「穴とら屋」にて。
4月9日オープンを明日に控えながらも展示作業を終えて街に繰り出す。
展示用の架設壁設置
4月10日オープンの「孤独な惑星──ロンリープラネット」(企画:窪田研二学芸員)のための内装工事が始まり、架設壁が立つ。毎度のことながら会場が見えてくるとワクワクする。