artscapeレビュー

栗田咲子 展「そぞろ園芸」

2012年07月15日号

会期:2012/06/16~2012/06/30、2012/07/02~2012/07/14

FUKUGAN GALLERY[大阪府]

栗田咲子の新作展。万博記念公園の太陽の塔の背中(裏側)と椅子に座っている男性を描いた絵の隣に、同じ男性が畳の室内でギター演奏をする様子を描いたものが並んでいた。これは2点組の《太陽のうしろ》という作品。このような異空間や別の時間が渾然と溶け合う栗田の作品世界はそのタイトルや構図もユニークで、いつも物語やモチーフへの想像を掻き立てる。しかし今回の個展は少し異なる印象も。動物園の動物をモチーフにした《中庭の水色》と《次の間》、畑仕事の合間の昼食の光景を思わせる《早お昼》、美しい野鳥を描いた《4月のまぼろし》など、これまでのような、なにかしらの違和感をともなうインパクトはあまりなかった。画風が変わりつつあるのだろうか。また次の発表も気になる。


展示風景

2012/06/30(土)(酒井千穂)

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