artscapeレビュー
TRACK──西野達《ホテル ゲント》ほか
2012年07月15日号
会期:2012/05/12~2012/09/16
シタデル公園周辺、ゲント大学周辺、旧市街中心部、トルハウス、マチャリハウス、ガスメーター・サイト[ベルギー・ゲント]
ゲントへ。駅を出て振り返ると、時計塔が仮設構築物で囲まれ、宿泊可能なホテルになっている。これはTRACKの最大の目玉になっている、西野達の作品だ。彼らしく、都市でもっとも目立つランドマークを巧みに使っている。TRACKは、1カ所だけを会場としたマニフェスト9とは対照的に、街なか展開のアートプロジェクトだ。ほかにも集合住宅のユニットを縮小コピーした家をツリーハウスにしたり、教会内部に作品を設置したり、歴史のある空き家を不気味な空間に変えるマーク・マンダースのインスタレーションなど、さまざまな作品がある。現在は公園内の駅舎を再利用したS.M.A.Kが拠点になっているが、箱が先にあって街なか展開ではなく、むしろ順番が逆だという。
写真:上・中=西野達《ホテル ゲント》、下=ベンジャミン・ヴァードンクによるツリーハウス
2012/06/01(金)(五十嵐太郎)