artscapeレビュー
小豆島来訪──ドットアーキテクツ《UmakiCamp》ほか
2015年11月15日号
[香川県小豆島]
仙台から小豆島へ。朝の5時30分に出て、12時40分頃に到着する。前回の瀬戸内芸術祭で時間がなくなり、見逃した西沢立衛の曲げた大きな鉄板を組み合わせた葦田パビリオンや福武ハウスを見学する。アートのような建築だが、人々のふるまいを誘発する空間をもっていた。島田陽が手がけた公衆トイレは、きれいに維持されており、感心する。ドットアーキテクツが手がけたUmakiCampへ。300万円の材料費で、セルフビルドを行なったものであり、そこから逆算して、構造や工法、ディテールを決定している。自主建設だが、昔のような閉鎖的な砦とはならず、開放的な空間として地域の開かれたコミュニティになるところが現代的だ。また隣には、新しく森田一弥によるカマド小屋も増えていた。続いて、前に訪れたときはなかった美井戸(ビート)神社を見学する。ヤノベケンジ×ビートたけしの作品《ANGER from the Bottom》の上に、ジャッキアップで高さを調整できる大きな切妻平入の屋根が出現した。その造形は、弥生や神明造へのレファレンスだという。そして坂手港から出発したジャンボフェリーに乗船すると、その頂部にトらやんの彫刻が載っていた。
写真:左=上から、葦田パビリオン、福武ハウス、島田陽《おおきな曲面のある小屋(公衆トイレ)》、UmakiCamp、森田一弥《カマド小屋》 右=上から、ANGER from the Bottom、美井戸(ビート)神社、ヤノベケンジ《ジャンボ・トらやん》
2015/10/21(水)(五十嵐太郎)