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黄金伝説 展──古代地中海世界の秘宝

2015年11月15日号

会期:2015/10/16~2016/01/11

国立西洋美術館[東京都]

地中海周辺に花開いたギリシャ、ローマ、トラキア、エトルリアなどの古代文明の金の装飾品がズラッと並ぶが、金にも装飾にも関心のない者には豚の耳に小判で、へーそーですかってなもんだ。関心があるのはギュスターヴ・モローの《イアソン》をはじめとする絵画。クリムトの《人生は戦いなり(黄金の騎士)》も出ているが、こちらは金箔が貼ってあるだけで絵としては平面的だし。どうせなら国内で調達せず、《ダナエ》か《ユディットI》か《パラス・アテナ》を取り寄せてほしかった。いや《接吻》でも《アデーレ・ブロッホバウアーの肖像I》でもいいけど。ちなみにダナエの絵も出てるが、自館所蔵のマルカントニオ・バッセッティという初耳な画家によるもので、ほとんど黄金の雨が目立たない。ティツィアーノかレンブラントみたいにハデに黄金の雨を降らせてくれよお。

2015/10/15(木)(村田真)

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