artscapeレビュー

プレビュー:林勇気「電源を切ると何もみえなくなる事」

2016年03月15日号

会期:2016/04/05~2016/05/22

京都芸術センター[京都府]

パソコンのハードディスクに大量にストックした写真画像を、1コマずつ切り貼りして緻密に合成することでアニメーションを制作する映像作家、林勇気。緻密な作業の膨大な積み重ねによって制作される作品は、個人の所有する記録媒体やネット上の共有空間に日々膨大な画像が蓄積され、共有され、消費されていくというメディア状況を可視化するとともに、ポスト・インターネット時代の知覚や身体感覚についての問いを投げかけている。「電源」をキーワードにした本個展では、電源を切る行為によって消滅してしまう、映像という非物質的なメディウムの存在的な危うさに注目する。それはまた、電源のON/OFFという行為の身体性と映像との関わりを再考する機会にもなるだろう。

2016/02/29(月)(高嶋慈)

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