artscapeレビュー

プレビュー:イヴォンヌ・レイナー『グランド・ユニオン・ドリームズ』ほか

2010年10月01日号

[東京都]

10月20日に四谷アート・ステュディウムで行なわれる『グランド・ユニオン・ドリームズ』再演は、ダンスのみならず現代美術に興味のある方もきっと楽しめる企画です。1971年に「ジャドソン・ダンス・シアター」の主要メンバーだったイヴォンヌ・レイナーによって上演された本作は、いわゆるポスト・モダンダンスが実態としてどういうものであったのかを確認するよき手がかりを与えてくれることでしょう。暗黒舞踏とほぼ同時代に登場したポスト・モダンダンスは、今日の神村恵や手塚夏子らの活動と直接的にあるいは間接的に接点が指摘できる、そういう意味できわめて今日的な意義を有するダンスです。あとは、ロロ(三浦直之)の公演『いつだっておかしいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』(再演、2010年10月17日~24日@新宿眼科画廊)にも注目したい。8月の『ボーイ・ミーツ・ガール』は新しい作家の登場を感じさせ、ともかくドキドキさせられた(役者たちも魅力的だった)。こちらも再演だけれど快快『アントン・猫・クリ』(2010年10月27日~31日@横浜STスポット)もお見逃しなく。一年半前に「キレなかった14才りたーんず」というシリーズで上演された本作は、作・演出の篠田千明の作家としての力量を知ることができる。

2010/09/30(木)(木村覚)

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