2019年07月15日号
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artscapeレビュー

前衛★R70展

2010年10月01日号

会期:2010/09/13~2010/10/02

Gallery-58[東京都]

70歳未満は出品不可という企画展。赤瀬川原平、秋山祐徳太子、池田龍雄、田中信太郎、中村宏、吉野辰海がそれぞれ新作を発表した。小品とはいえ、それぞれの芸風を存分に発揮した作品を展示していたので、たしかに見応えはある。けれども、同時に顔も名前も十分に広く知られた「前衛」作家たちであるという条件を抜きにして作品を客観的に見ることが難しいのも事実だ。彼らが「前衛」の花形、平たくいえばスターである以上、それは仕方がないことなのかもしれない。しかし、現在のぬるいアートシーンに喝を入れることができるのが、かつてのスター・アーティストたちだけだとしたら、それはまた別のぬるさを呼び込んでしまうことになりかねない。むしろ、顔も名前も知られないまま、70歳を超えてなお、制作活動に打ち込んでいる未知の老人による表現こそ、アートシーン全体を根底から震撼させることができるのではないだろうか。かねてからの自論だが、この際、金太郎飴のような似たり寄ったりの国際展や若者を吸い上げる公募展はもうやめにして、全国津々浦々、知られざる老人による表現行為や創作活動を一堂に会した「シルバー・ビエンナーレ」を開催してはどうだろうか。甘ったれた若造に焼きを入れるには、かつてのスターを召還するより、わけのわからない老人を結集させるのがいちばんである。その有象無象のカオスの中から、私たちの文化や社会福祉に貢献できるアートを探し出すことは、きっと楽しい。

2010/09/15(水)(福住廉)

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