artscapeレビュー
artscape編集部のレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス | 2020年01月15日号[近刊編]
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます
◆
DUMB TYPE 1984 2019
高谷史郎、池田亮司を擁する日本を代表するアーティストコレクティヴ、ダムタイプ。35年におよぶ活動の全記録を収録した決定版カタログ。
表現の生態系 世界との関係をつくりかえる
分断を見つめなおし、他者と共に生きるために。
今、アートに求められていることとは?
社会運動、ジェンダー、マイノリティ、宗教、自然などをキーワードに、
世界との関係性を見つめなおし、つくりかえていこうとする31組のアーティストを紹介します。
「アートセンターをひらく」記録集
開館30周年を目前に企画された、当館現代美術センターの役割を改めて問い直す特別企画。その第Ⅰ期と第Ⅱ期の様子を収録した記録集です。 第Ⅱ期である展覧会で発表中の作品群は、ギャラリーをアーティストと市民による「創作と対話」の場へと転換した第Ⅰ期の特殊な環境下で制作されました。そうして生まれた新作の展示風景が、アーティストの言葉とともに収録。また、寄稿・執筆テキストのほか、第Ⅰ期で交わされたいくつもの言葉から、「いま、必要な場所」「介護/看取り」「学びとは?、学校とは?」にまつわる3つの座談会の記録をもれなく掲載。「ひらくカフェ」で生まれた来場者の創作物やカフェスタッフの言葉なども。
wow, see you in the next life. (The magazine) vol.2
山口情報芸術センター[YCAM]で開催されているcontact Gonzo+YCAMバイオ・リサーチ「wow, see you in the next life./過去と未来、不確かな情報についての考察」(2019年10月12日〜2020年1月19日)に関連して制作されたマガジンの2号目。会期前から会期末にかけて、contact Gonzoメンバーの塚原悠也によるSF小説などを所収したマガジンが3回発行される。山口情報芸術センター[YCAM]、一部書店、Amazonマーケットプレイスにて販売中。
関連記事
展覧会における体験は遺伝情報に影響を与えるか──YCAMバイオ・リサーチとcontact Gonzoがとりくむ身体表現(最終回)|津田和俊/吉﨑和彦:キュレーターズノート(2019年12月15日号号)
「wow, see you in the next life. /過去と未来、不確かな情報についての考察」についての考察|角奈緒子:キュレーターズノート(2019年12月01日号)
過去と未来、不確かな情報についての考察──YCAMバイオ・リサーチとcontact Gonzoがとりくむ身体表現(第2報)|津田和俊/吉﨑和彦:キュレーターズノート(2019年09月15日号)
身体はどこから来て、どこへ行くのか──YCAMバイオ・リサーチとcontact Gonzoがとりくむ身体表現|津田和俊/吉﨑和彦:キュレーターズノート(2019年06月01日号)
存在と出来事
フランス現代思想“最後”の巨人、最重要文献の完訳。
“出来事”を数理的に擁護せよ──革命・創造・愛といった「出来事」を神秘化・文学化から奪還し、集合論による「存在」の厳密な記述に基づき、「出来事」の“出来”の必然性を数理的に擁護する。アルチュセールの弟子にして、フランス現代思想“最後”の巨人が、数学と哲学の分断を超えてそのラディカリズムの根拠づけを企図し、後の思弁的実在論にも影響を与えた最重要文献。
映画と黙示録
核による人類滅亡、宇宙戦争、他者としての宇宙人(異星人)の表象、救われる者と救われない者、9・11という虚実の転倒と終末映画、そして、コンピューターやロボット、AIに支配される社会…。ホラー、パニック、アクション、戦争、SF、ミステリー、フィルム・ノワールなど、約250作を取り上げ、原典があらわすイメージ・思想と今日の私たちとの影響関係を解き明かす、西洋美術史・思想史家の面目躍如たる一冊。
自画像のゆくえ
だれもが感じているように、現代ほど「わたしがたり」にあふれかえった時代はこれまでになかった。世界的にその傾向にあるのかもしれないが、日本ではこの傾向がとくに顕著であるようにも思われる。(中略)本書は、私なりの想像力をつけくわえて試みた、自画像の歴史をめぐる、21世紀人のためのツアーである。ツアーは過去から順をおって、やがて20世紀へといたり、最後はふたたび私たちが生きているこの現代(=「自撮り/セルフィー」の時代)にもどってきたいと思う。(「はじめに」より)
これはダンスか? 「大野一雄」は終わらない
2018年9月28日~12月8日に若山美術館で開催された「大野一雄展 日常の糧」の図録。未公開スナップ写真、手紙、近親者の証言から伝説的舞踏家、大野一雄の素顔に迫る。
◆
※「honto」は書店と本の通販ストア、電子書籍ストアがひとつになって生まれたまったく新しい本のサービスです
https://honto.jp/
2020/01/15(水)(artscape編集部)
カタログ&ブックス | 2019年12月15日号[近刊編]
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます
◆
日本国憲法
令和版『日本国憲法』、満を持して登場!
103の条文とすごい美術69作品で、憲法を味わう。
憲法×アートによる、あたらしいタイプの「日本国憲法」の本。
美術、漫画、写真、映画、──、
戦後日本を代表する錚々たる芸術作品とともに、「日本国憲法」を読み直す画期的な書籍です。
総ルビ、注釈つき本文、英文併記。
バンクシー アート・テロリスト
ロンドンを中心に世界各地に出没し、痛烈な社会的メッセージを残していくストリートアーティスト、バンクシー。多くの謎に包まれている覆面アーティストの全体像に迫る入門書の決定版。
コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求 ポスト・ヒューマン時代のメディア論
情動化する(ポスト)メディアとすべてを市場化する新自由主義によってあらゆる事象は覆い尽くされた。コミュニケーション資本主義が全面展開した制御=管理型社会において、変貌を遂げる生権力によって窒息しかけ、放逐されつつある私たちの〈生〉のあり方の実相を浮かび上がらせる。「コミュニケーション資本主義」を冠した初の論集。
森山大道写真集成(3)写真よさようなら
伝説的名作の復活(初版1972年写真評論社、2006年パワーショベル、2012年講談社)。中平卓馬との対談全文掲載。「あのころのぼくは、写真に対する過剰な想念の海で溺れる寸前だった。そして、やっとの思いで泳ぎ着いた彼岸が、この写真集だった。写真というものを、果ての果てまで連れて行って無化したかった」(森山大道)。
デザイン:町口覚
フレームの外へ 現代映画のメディア批判
あらゆる画面が我々を囲み、新たな「自然」となりつつある現在。文字情報に奉仕する映像と音に操られてしまわないために、我々はこの環境といかにして向き合うべきか。
フレームの「内」と「外」、画面と音声の関係を軸に、ロッセリーニ、ブレッソン、ゴダール、ストローブ=ユイレ、さらにアメリカや日本の戦後映画をたどり、ロシア、南米、中東などの先鋭的な映画作家まで、「フレームの外へ」と分析の眼差しを向ける、ポスト・トゥルース時代の現代映画論。
22世紀の荒川修作+マドリン・ギンズ 天命反転する経験と身体
死すべき存在でありながら、生命を消滅させないという矛盾を荒川+ギンズはどのように乗り越えようとしたのか。
人間の運命に戦いを仕掛け、運命を根底から覆す「天命反転」を企てた、今なお/今こそ現在進行形というべき荒川+ギンズの思想と実践を、身体論を軸として、哲学、建築、美術、心理学、教育学などさまざまな専門分野から再検討する。それとともに荒川+ギンズ関連の展覧会、パフォーマンスなどの近年のプロジェクトを包括的に紹介する。
REAR43号 「風景断片」「コレクション再考」
現代における芸術の批評・ドキュメントを掲載し、中部・東海地域の作家や展覧会に見られる独自の視点を捕捉することに重きをおいた芸術批評誌『REAR』の最新刊。特集は「風景断片」、第2特集は「コレクション再考」。櫃田伸也のインタビューや、北川智昭、中村史子などの批評を収録。
ART PROJECT KOBE 2019: TRANS- 公式カタログ
2019年9月14日〜11月10日に神戸で開催されたアート・プロジェクト「TRANS- 」の公式カタログ。グレゴール・シュナイダー《美術館の終焉ー12の道行き》の展示風景や制作風景、やなぎみわ野外巡礼劇『日輪の翼』公演風景のほか、テキストなどを収録。限定200部。
◆
※「honto」は書店と本の通販ストア、電子書籍ストアがひとつになって生まれたまったく新しい本のサービスです
https://honto.jp/
2019/12/15(artscape編集部)
カタログ&ブックス | 2019年12月1日号[テーマ:印象派の印象がくつがえる5冊]
月替わりのテーマに沿って、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。今月のテーマは、「印象派の印象がくつがえる5冊」。横浜美術館で開催中の「オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展(2020年1月13日まで)や、三菱一号館美術館の「印象派からその先へ─世界に誇る吉野石膏コレクション展」(2020年1月20日まで)、東京都美術館の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」展(2019年12月15日まで)など、関東近郊ではこの秋冬、印象派にちなんだ展覧会が盛りだくさん。今月は、美術展テーマの花形のように語られることも多い印象派のイメージを更新してくれる5冊を選びました。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます
◆
印象派という革命
「なぜ日本人は『印象派』が好きなのか」という素朴な問いかけから始まり、モネ、ドガ、ルノワールといった印象派の代表的な作家や、ベルト・モリゾ、メアリー・カサットなどの女性作家たちにも一人ずつクローズアップし、その生涯や作品に込められた感情などを紐解いていきます。印象派の成り立ちや彼らを取り囲む時代状況など、歴史の文脈から印象派への理解を深めるのにも適した一冊。
ルノワールへの招待
印象派の作家のなかでもルノワールに着目し、さまざまなアプローチで深堀りしていく仕掛けに富んだ入門書。《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》など六つの名画の原寸大が体感でわかるページや、作品のディテールに込められたトリビアなど、ルノワール作品に対峙するときの頭のなかの解像度がぐっと上がるはずです。
モネのキッチン 印象派のレシピ(1)
印象派を「食」の観点からほのぼのと描く、いままでにないマンガ作品。モネとその友人ルノワールの若年時代、お金がなかったがゆえの料理への偏愛が描かれています。19世紀フランスの庶民の食生活が覗けるという意味で「食」マンガ好きの方にもおすすめ。全2巻。
小林秀雄全作品 22 近代絵画
文芸批評家・小林秀雄が50歳のとき(昭和27年)にパリで観て歩いたモネ、セザンヌ、ドガ、ピカソなどを論じた一冊。印象派の人物列伝としても読みごたえは充分で、画家たちの人間関係や時代の雰囲気、そして彼らがつくり出す色彩と美の描写の厚みに唸ります。
印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ(NHK出版新書)
『怖い絵』シリーズで人気を集める著者が、印象派の画家たちが生きた時代を社会的背景から読み解く一冊。政治/経済/文化など、あらゆる側面で激動の渦中にあった19世紀後半のパリは、当時の画家たちになぜあのような光に満ちた色彩を描かせ、印象派を花開かせたのか。その裏にあった格差社会のリアルにも言及する本書は、印象派の見方を大きく変えてくれるかもしれません。
◆
※「honto」は書店と本の通販ストア、電子書籍ストアがひとつになって生まれたまったく新しい本のサービスです
https://honto.jp/
2019/12/01(artscape編集部)
カタログ&ブックス | 2019年11月15日号[近刊編]
展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます
◆
横浜美術館30周年記念 美術でつなぐ人とみらい
みなとみらいの中心に位置する都市型美術館の先駆として開館30周年を迎える横浜美術館。豪華執筆陣の小説・写真・論考など充実したクリエイションで街と美術館の未来について思いを馳せる。
キース・へリング〜アートはすべての人のために〜
「中村キース・へリング美術館」開館10周年を記念して発行される、80年代アメリカのアートシーンを代表する画家、キース・へリングの魅力のすべてが詰まった一冊。地下鉄のラクガキドローイングにはじまる彼のアーティストとしてのキャリアは、1990年に亡くなるまでの10年間。ヘリングは短い人生を疾走するように創作活動を展開。本書は美術館の10年間の歩みをたどりつつ、所蔵作品を中心に、ドローイング、立体ほか約160の作品を掲載。暴力や差別を否定して平和や生きる歓びをメッセージとして発信し、人間の意識や社会のあり方を変えていこうとしたヘリングの幅広い活動を紹介する。
VIRAL: Enrico Isamu Oyama
中村キース・ヘリング美術館にて、2019年5月より開催中の大山エンリコイサム個展「VIRAL」の展覧会カタログ。 本書には同展覧会のインスタレーションビューをはじめ、大山によるステートメント、美術史家の林道郎による論考を収録。 当館ならではの視点から、キース・ヘリングとの共通性にも迫る一冊となっています。
窓展 窓をめぐるアートと建築の旅
美術作品に現れる「窓」は作品モチーフとして建築の一部として、さまざまな思いを想起させる。東京国立近代美術館の展覧会公式図録。
アンチ・アクション 日本戦後絵画と女性画家
草間彌生、田中敦子、福島秀子。3人の女性画家の画業をたどり、日本の戦後美術史と戦後美術運動のジェンダー的問題点を探りだし、「女性画家もいる」美術史を構築しようとする試み。
転形期のメディオロジー 一九五〇年代日本の芸術とメディアの再編成
1950年代の日本で、テレビに代表されるニューメディアの出現が、印刷媒体中心であった既存のメディアをいかに変容・再定義していったのか。
本書では、主に文学・映像・美術のジャンルにおいて、異なるメディア間での相互交流、越境、再編成と、それらが作品や表現にもたらしたものを再検討し、現代の錯綜するメディア状況を歴史化する視点を提示する。
増補版 ゴダール マネ フーコー 思考と感性とをめぐる断片的な考察
映画史、絵画史、思想史を横断する。
20世紀の「あらゆる映画はサイレント映画の一形式でしかない」と論じ、21世紀の「ポスト・トゥルース」と呼ばれる時代の「ポスト」について分析する2本のテクストを増補。
Holy Onion
一人の女性がキッチンで玉ネギの皮をむく写真がひたすら続く──。あまりに日常的な、それでいてこの上なく非日常性を孕む光景。収録されているのは、フィルム1本分全35カット。1枚の写真にその人物を象徴する瞬間がとらえれているのがポートレイト写真だとすれば、『Holy Onion』は、既成のポートレイト写真への問いかけであるのかもしれない。「1枚で見せるポートレイトってことじゃなくて、35枚全部で一つのポートレイト。今回たまたま35枚でしたが、5枚でも10枚でも1枚じゃないポートレイトに最近興味がある」と題府は語る。『Still Life』、『Hypermarché – Novembre(大型スーパー、11月)』(ミシェル・ウェルベックとの共著)に続く待望の新刊写真集。
◆
※「honto」は書店と本の通販ストア、電子書籍ストアがひとつになって生まれたまったく新しい本のサービスです
https://honto.jp/
2019/11/15(artscape編集部)
カタログ&ブックス | 2019年11月1日号[テーマ:文学とアートの関係を思索するための5冊]
月替わりのテーマに沿って、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。今月のテーマは、読書の秋にちなんで「文学とアートの関係を思索するための5冊」。国立新美術館で開催中(2019年11月10日まで)の「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」などの展覧会でも試みられている、文学、テキストや「読む・書く」という行為とアート、この両者の関係を新しく照らし出すための5冊を選びました。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます
◆
ぼくの美術ノート
イラストレーターとして知られ、世田谷文学館での回顧展「『かわいい』の発見」も記憶に新しい、原田治による「美術」にまつわるエッセイ集。その対象とするものは、美術館などで見られる作品にとどまらず、長谷川町子の漫画や民芸品、街の風景などにも及び、その観察眼を通して書かれる文章はどれもユーモラス。造形に携わる人ならではの着眼点とその解像度を疑似体験できる一冊です。
詩とイメージ マラルメ以降のテクストとイメージ
美術と詩の関係性を刷新したと言われる19世紀フランスの詩人、ステファヌ・マラルメ。『乾坤一擲』など、視覚的にアプローチする詩の表現や書物の見せ方は、文学界や美術界だけでなくデザインやタイポグラフィなどにも強い影響を与えました。彼の仕事の革新性を国内外のさまざまな研究者がそれぞれの視点から分析する論考集。
こんにちは美術1 めくってたんけん!いろんな絵の巻
展覧会ウォッチャーとしての顔も知られる小説家・福永信が文と構成を担当した、現代美術の鑑賞入門としての絵本シリーズ1作目。現代美術に初めて触れる子どもの頭も、現代美術に苦手意識のある大人の頭も柔らかく解きほぐしてくれる、ユーモアの効いたテキストたち。掲載の作品には美術館の所蔵作品や公共の場所にあるパブリックアートも多く、気になったら実物を観に行けるのも嬉しいところ。
読書の日記
東京・初台にある〈本の読める店〉「fuzkue」店主の1年間の日記本。その書名が表わすように、日々さまざまな本を読んで暮らす著者の日常を覗くことができる圧巻の1120ページ。数々の本のタイトルと肩を並べるかたちでときどき登場する、著者が鑑賞した映画や演劇、展覧会についての描写も本書の密かな読みどころで、観ること、読むこと、生活することがひとりの人のなかで溶け合う状態の豊かさに思いを馳せてしまう一冊です。
月と六ペンス(新潮文庫)
1919年に発表されたサマセット・モームの名作伝奇小説。主人公の友人であるストリックランドは、後期印象派の画家ポール・ゴーギャンをモデルにしたと言われており、芸術と現実の間で揺れた彼の生涯を通しての苦悩が描かれます。小説家である主人公は芸術に大して興味を持たない人物として描かれ、そんな視点からとらえたストリックランドという人物の異質さ・興味深さの描写は読み手をどんどん引き込んでいきます。
◆
※「honto」は書店と本の通販ストア、電子書籍ストアがひとつになって生まれたまったく新しい本のサービスです
https://honto.jp/
2019/11/01(artscape編集部)