2018年10月15日号
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artscapeレビュー

伊達伸明 選展 「豊中市立市民会館 おみおくり展のおみおくり展」

2014年07月15日号

会期:2014/06/09~2014/06/26

GALLERYwks.[大阪府]

取り壊される建物から、そこに関わった人々の思い出の”痕跡”を見つけ出し、それを材料にウクレレを制作する「建築物ウクレレ化保存計画」で知られる伊達伸明。今年2月、自身の地元である豊中市の市民ギャラリーで、解体された市民会館の建物の一部分や施工時の資料、市の広報誌などを展示に用いた「豊中市民会館 おみおくり展」を企画、開催した。それを再構成し続編として開かれていたのが今展だ。会場には「豊中市立市民会館」の立体看板文字をメインに、実際に使用されていた市民会館内の案内板や注意書きのパネル、写真資料などが展示されていたのだが、ほかに「豊」、「中」、「市」の3つの看板文字が大阪城をはじめとする大阪市内の名所、観光地を巡るという愉快なシチュエーション写真の数々も展示されていた。これらは今展のために制作されたもので、はじめは擬人化する意図はなかったそうなのだが、「豊」「中」「市」の3文字が豊中市を飛び出し、ぶらりと周遊してまわる「3人」というイメージでどれも人間味に溢れ、物語を喚起するから実に楽しい。先に開催された展覧会の内容をなぞるだけではなく、アーティストならではの発想とセンスが新たに発揮された展示。輪をかけてあじわい深く感じられる記憶の「おみおくり」だった。


会場風景



展示風景


2014/06/16(月)(酒井千穂)

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