2019年09月01日号
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artscapeレビュー

5.7原発やめろデモ!!!!!!! 渋谷・超巨大サウンドデモ

2011年06月01日号

会期:2011/05/07

渋谷一帯[東京都]

2011年4月10日の高円寺に引き続き、素人の乱が中心になって組織した「原発やめろデモ」の第二弾。小雨が降りしきるなか、高円寺と同じ15,000人あまりが参加した。警察によって細分化された結果、高円寺ほどの群集を体感することはできなかったにせよ、それでもサウンドカーが何台も投入され、渋谷の街を大音響で染め上げた迫力は凄まじかった。デモというと、いまだに特殊な人びとが行う迷惑行為という印象が根強いが、今回のデモはふつうの若者が集まる街を歩いたせいか、そうしたステレオタイプを見事に一新したように思う。車道を歩く人びとと歩道から眺める人びとのあいだを区別する境界はほとんど感じられなかった。同じ空気を吸って生きているのだから当たり前といえば当たり前の話だが、デモという集団的な表現形式が社会に定着しつつあることの意義は少なくない。途中からデモに加わってもよいし、ある程度音楽に満足したら別のサウンドカーに移動すればよい。言ってみれば、ステージも客も移動する野外フェスのようなものだ。しかも費用は、被災地への義援金と、デモを組織するために必要な資金へのカンパだけ。これを黙って見過ごすのは、あまりにももったいない。放射能の恐怖に素直に怯えつつ、しかし同時にその中で楽しむ術を共有してこそ、まさしく同時代のアートといえるのではないか。

2011/05/07(土)(福住廉)

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